2023 Fiscal Year Research-status Report
栄養指導における食品の「手触り感」を体感し「見える化」できるIoT食器の研究開発
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22K11748
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
三原 法子 山形大学, 地域教育文化学部, 講師 (80533687)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 知親 山形大学, 大学院理工学研究科, 助教 (50375317)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | IoT食器 / 栄養指導 / 高齢者 / サービスデザインアイデア |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、2022年度に試作したプロトタイプ1号を分解し、病院・介護福祉施設等の栄養指導で活用できるように、新たなプロトタイプ2号を製作した。2号機はプロトタイプ1号の栄養素をgにするシステムを搭載したまま、器機に入力した塩分と水分量および既成食品のエネルギー量を皿で保持できるようにした。なお、システムに入力した栄養素は、八訂の食品成分表を、既成食品は主婦の友社の食材&料理カロリーブックから許可を得て使用した。 次に、プロトタイプ2号の計量台に載せる皿の立案を行った。汁物を除いた主食・主菜・副菜・果物・乳製品のバランスを農林水産省の物を参考に「7:5:6:2:2」または「6:5:6:2:2」とし、各料理を置く位置と場所の大きさの割合を定めた5つの食器案を作成した。案1は料理のバランスを7:5:6:2:2とし、円形型を作成し、農林水産省の和の配膳を参考に各料理の配置を決定した。立ち上がり形状という、すくいやすいデザインにしたため、高齢者でも食材をこぼすことなく、口に運ぶことができる形状とした。 案2は案1と同様のバランスで、四角型を作成し、隅切りの形とし、料理を取りやすい形状とした。案3・4は、料理のバランスを6:5:6:2:2とし、三信加工株式会社のユニバーサルデザイン食器を参考に、大きな3つの食事エリアを作成した。他の食器案と比べて各料理のエリアが近いため、運動機能が低下し皿に手が届かない、認知機能低下で一つのものを集中的に食べてしまう方にも対応できる形状とした。案5は、料理のバランスを6:5:6:2:2とし、今回のIoT食器開発の元となったサービスデザインアイデアの意見を取り入れ、食べたいものを中心に置くようなデザインとした。サービスデザインは、主婦層にターゲットを絞って出来上がったアイデアのため、料理のつくり手に合った形状とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
その理由は以下の4つの理由からです。 一つ目は、病院・福祉施設等に合った医療機器となり得るプロトタイプ2号が出来上がっていること。 二つ目は、これから温度センサーやカメラを搭載し、改良を行うまでに至っていること。 三つ目は、持ち運びがしやすい軽い素材を使用しているため、検証時にどこでも持っていけること。 四つ目は、検証施設に2施設が決定し、検証に医師が協力してくれること。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度の研究のイメージは以下です。 5月末日までに、プロトタイプ2号に温度センサーと画像認識ができるカメラを搭載する。 6月~7月までに、カメラでの食品の画像認識を実現させるために、各料理の画像を可能な限り収取し、認識させる。また、プロトタイプ2号とその結果を表示するモニターとを繋ぐためのプログラムを作る。 8月~10月ごろに検証を行う。検証施設は2施設それぞれ20名の対象とする。病院:DM、脂質異常症、慢性肝炎、高血圧、心疾患患者20名とスポーツセンター:運動をしている中学生20名とする。 検証内容は、①管理栄養士や患者、運動をしている中学生に導入前アンケート調査を行う。②管理栄養士が栄養指導日やスポーツ日にDM食や常食を2名分ぐらい用意する。③患者や中学生が自分でRFIDを付けた皿に、用意されたDM食から各料理を盛り、それを計測台に載せる。④測定結果をモニターに数値やグラフで映し出すことで、その食事に含まれる栄養素をリアルタイムで見れるようにする。⑤そのデータを見ながら、管理栄養士は患者や運動をしている中学生の食事について指導する。⑥3か月後に、導入後アンケート調査を行う。 以上より、患者自身が盛り付けを体験しながら自身の摂取すべき食事量を知れるため、従来の手法に比べて患者の食事管理についての理解が深まることが期待できる。
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Causes of Carryover |
次年度への繰越金が生じた理由は、プロトタイプ2号の改良のために、画像認識カメラ等その他の機能を搭載させるために費用がかかると考えていたからです。 R6年度は、以下のように配分しています。三原法子の配分は、①R6配分額105,116円(物品:0円,旅費35,000円,人件費・謝金50,000円,その他20,116円)②R5持ち越し額87,504円 ①+②合計192,620円となり、原田友親の配分は、①R6配分額894,884円(物品:799,884円,旅費95,000円,人件費・謝金0円,その他0円)②R5持ち越し額295,256円①+②合計1,190,140円となります。 三原は、主に検証のために協力施設への謝礼金や協力医師の交通費等に使用予定です。原田は、主にIoT食器の改良と完成のために使用予定です。その他、各学会にての発表・論文投稿費に使用する予定です。
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