2023 Fiscal Year Research-status Report
アルツハイマー病発症緩和に有用な食品微生物をモデル生物「線虫・メダカ」で探る
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22K11781
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
小村 智美 兵庫県立大学, 環境人間学部, 助教 (10736515)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | アルツハイマー病 / アミロイドβ / メダカ / 行動解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
認知症患者の60%を占めるアルツハイマー病は、脳内にアミロイドβ(Aβ)が生成・凝集し、神経細胞に変性を来すことで記憶障害が生じる。前年度は、Aβを発現させたトランスジェニック線虫を用いて、乳酸菌摂取におけるAβ抑制効果を報告した。 そこで今年度は、より高等なモデル生物である小型魚「メダカ」を用いて乳酸菌の効果の更なる検証を深めるために、下記の環境整備および実験を行った。まずメダカの飼育環境の設備を整え、水槽を最大32個設置可能な集合水槽システムを研究室にセットアップした。実験するためには実験個体数を確保する必要があるため、常時維持するメダカの成魚数を増やした。 そしてメダカを用いた表現型の評価系模索と認知症モデルメダカの作製法の検討を試みた。メダカを用いた評価系のひとつとして、行動解析の方法開発を進めた。そしてキュベットを用いて稚魚を1尾ずつ行動追跡可能であること、キュベット6個を同時に動画撮影する方法を開発した。認知症モデルメダカの作製は、合成Aβペプチドを脳内に注入したモデルを作製することを最終目標とし、まずメダカの脳内へ注射するために微小ガラス管を用いたマイクロインジェクションの条件検討を行った。脳内に蒸留水を注入する作業のみでも、稚魚の生死にバラツキが生じた。その理由としてガラス管の口径やインジェクション量に大きく左右されることが考えられる。今後、インジェクション法の更なる検討を実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
モデル生物「メダカ」の集合水槽を導入することで、維持する個体数を大幅に増加させることができ、実験数確保を心配することなく実験を行えるようになった。そしてメダカ稚魚の行動解析の方法を確立することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
認知症のモデルメダカの作製を行うために、マイクロインジェクション法を用いて実験を進めたところ、脳内注射が個体に及ぼす影響は、インジェクションの手技に大きく左右されることが判明した。そこで来年度は、脳内注射の厳密な条件検討を行い、インジェクションにおける負荷および個体間でのバラつきを最小限に抑えられる条件を見出すことを目標とする。またインジェクション法が困難であった場合に備えて、薬剤を用いたモデル作製の検討も同時進行で進める。
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Causes of Carryover |
メダカモデルを用いた研究成果の一部を論文発表したかったが、年度末の段階では原稿執筆過程に留まった。そのため次年度にて、専門業者への英文校正を行い、論文投稿を目指す。また論文投稿は、より広く研究成果を発信すべく、オープンアクセスにする予定であり、その出版料として使用する予定である。
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