2022 Fiscal Year Research-status Report
乳酸発酵黒大豆のメタボリックシンドローム改善作用とその機序解明に関する研究
Project/Area Number |
22K11782
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Research Institution | University of Nagasaki |
Principal Investigator |
古場 一哲 長崎県立大学, 看護栄養学部, 教授 (30290638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 隆 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 教授 (90171769)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 黒大豆 / 乳酸菌MU-1 / OLETFラット |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、黒大豆およびその乳酸発酵物がメタボリックシンドローム改善作用を有するかについて、種々の疾患モデル動物を用いた摂食試験により明らかにすることを目的としている。研究1年目の令和4年度は、まず乳酸発酵黒大豆の調製、および試験試料である黒大豆および乳酸発酵黒大豆の成分分析を行い、次いで、肥満モデル動物(OLETFラット)を用いた摂食試験に取り組んだ。本研究で使用している乳酸菌は、長崎県工業技術センターにおいて長崎県産古漬けから分離同定されたMU-1乳酸菌(Lactobacillus pentosus)で、同センターで乳酸発酵黒大豆を調製した。次に、黒大豆および乳酸発酵黒大豆の成分分析を行った結果、一般栄養成分(水分、タンパク質、脂質、糖質、食物繊維、灰分)の組成は、黒大豆と発酵黒大豆の間に違いはないことを確認した。また乳酸発酵により、黒大豆に含まれるイソフラボン配糖体(ダイジン、ゲニスチン)はアグリコン化され、ダイゼイン、ゲニステインに変化していることを確認した。また、黒大豆に含まれる有色素成分であるアントシアニン(配糖体)は発酵黒大豆では確認できなかった。そこで、動物実験用のAIN-93G純化食の25%を黒大豆または発酵黒大豆で置き換え、成分調整した食餌を調製し、OLETFラットに6週間自由接触させた。その結果、終体重に対する黒大豆および発酵黒大豆の影響はなく、各脂肪組織重量への影響もほとんどなかった。現在、血漿および肝臓の成分分析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究1年目は、黒大豆およびMU-1乳酸菌による発酵黒大豆の成分分析および摂食実験を予定しており、概ね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は前年度の動物実験の生体試料分析を完了させる。そして、別の病態モデル動物として糖尿病モデル動物(KK-Ayマウス)もしくは高血圧モデル動物(SHR/Izm)を用いて摂食試験を行い、黒大豆および発酵黒大豆の生理機能に関するデータを蓄積する。
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Causes of Carryover |
研究1年目の後半に購入を予定していたELISAキット類の購入を2年目の初めに伸ばしたため、その分の予算を翌年繰越にしたが、2年目に当該キットは購入し、分析は実施する計画である。
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