2022 Fiscal Year Research-status Report
食事脂質栄養による脳ミクログリア活性化制御機構の解明と高次機能への影響の検討
Project/Area Number |
22K11822
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宮崎 啓史 東北大学, 医学系研究科, 助教 (90803867)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | アルツハイマー型認知症 / ミクログリア / 肥満 |
Outline of Annual Research Achievements |
肥満や脂質異常症は、認知機能の低下やアルツハイマー型認知症(AD)などの神経疾患の病態とも関連することが知られるが、そのメカニズムの詳細は未だ不明である。近年、脳の免疫系細胞であるミクログリアの活性化機能が、認知機能障害やAD病態に重要な役割を果たす可能性が示されており、その機能制御機構の解明が注目されている。本申請では、ミクログリアの細胞内代謝バランスを介した活性化制御機構に着目し、脂質栄養状態におけるミクログリアの活性化制御機構の解明と、そのミクログリア機能がシナプスの形態・機能やADの発症・進行に及ぼす影響を明らかにすることを目的とする。 当該年度において、高脂肪食を与えたADモデルマウス(HFD-ADマウス)は、通常食を与えたADモデルマウス(ND-ADマウス)と比較して、脳内にアミロイド斑が多く蓄積することが分かった。さらにそれに伴う、神経障害が増悪している可能性も示唆された。マウスの行動実験において、HFD-ADマウスは、ND-ADマウスに比較して、記憶が低下していることが観察され、高脂肪食摂取により認知症の病態を悪化させることが確認された。さらに、ミクログリアの局在や形態を脳組織で観察したところ、アミロイド斑に集積するミクログリアがHFD-ADマウスで低下することが分かった。さらに、脳ではミクログリアに特異的に発現し、βアミロイドのクリアランスに重要な分子であるTrem2の発現を、単離ミクログリアで観察したところ、ND-ADマウスに比べて、HFD-ADマウスでTrem2発現が低下していた。以上のことから、高脂肪食摂取は脳ミクログリアのTrem2発現抑制を介して、ADの病態悪化と記憶力の低下を促進する可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書の研究計画に沿って概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
申請書の研究計画に沿って、令和5年度、6年度の研究を遂行する。
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Causes of Carryover |
RNA-sequence解析として計上していた使用額を当該年度では行わなかった。翌年度に解析を行い、使用予定である。
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Research Products
(2 results)