2023 Fiscal Year Research-status Report
インクレチン経路からみた小児メタボリック症候群治療のための新たな評価指標の構築
Project/Area Number |
22K11826
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
花木 啓一 鳥取大学, 医学部, 特任教授 (20238041)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 小児肥満 / メタボリックシンドローム |
Outline of Annual Research Achievements |
成人期の生活習慣病を減らすためには、小児期の肥満やメタボリック症候群へ早期から対応することが肝要である。小児期メタボリックシンドロームの評価指標には従来、各種の肥満関連指標が用いられてきたが、近年、食事摂取に伴い消化管から分泌されるホルモンであるインクレチンが摂食・嗜好・味覚への作用(膵外作用)を持つことが明らかとなった。本研究では、インクレチン経路に注目したアプローチにより、小児肥満・メタボリックシンドロームの評価基準を新たに設定することにより、小児期発症メタボリック症候群への効果的な介入方法と適切な食事療法の根拠を得ることを目的としている。本年度はコホート研究と して、健常小児並びに肥満小児について味覚や食物嗜好の個人差と体格の関連を検討するために、本邦の小児肥満頻度についての調査を実施した。公表されているデータベースや小児や内分泌代謝疾患を扱う学術集会等で発表されている小児肥満の一般集団に対する頻度を6~18歳の階層別データとして集積し、調査を実施するための参考とした。小児肥満の頻度は、肥満度による判定では、男子では11~12歳頃に、女子では15歳頃に最高値となる一方、小児期メタボリックシンドロームの頻度は一般小児のなかで0.5~1%であるとの報告が多かったので、メタボリックシンドロームだけを対象とした味覚や食物嗜好の調査よりも、肥満小児を含めた検討の方がコホート調査としては適切であることを確認した。一方、コロナ禍前後の調査では、肥満頻度や肥満各指標の悪化が報告されていることから、本研究の成果がより期待されるところとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度からの感染症対策業務は依然として研究時間を圧迫している。コロナ禍後に増加した肥満頻度の調査にも時間を費やした。
|
Strategy for Future Research Activity |
コホート研究をさらに伸展させるとともに、他領域の研究も併せて推進する。今後の年度には、大学教員としての業務量の減少が予想されるが、本研究のエ フォートを落とすことなく目的の達成に努める予定である。
|
Causes of Carryover |
今年度は職位の変更等により一時的にエフォート確保が困難で研究遂行に遅延を生じたことにより、支出額が計画を下回った。次年度は、計画に沿って支出する予定である。
|