2023 Fiscal Year Research-status Report
糖とアミノ酸による食事誘発性熱産生機序解明および概日リズムを利用した熱産生亢進
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22K11847
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Research Institution | National Institutes of Biomedical Innovation, Health and Nutrition |
Principal Investigator |
山崎 聖美 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 国立健康・栄養研究所 栄養・代謝研究部, 主任研究員 (00218439)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 食事誘発性熱産生 / 褐色脂肪組織 / 魚油 |
Outline of Annual Research Achievements |
肥満やメタボリックシンドローム発症予防及び改善のためには、エネルギー消費を増加させることが有効である。食事誘発性熱産生は総エネルギー消費の約1割を占めており、食事誘発性熱産生亢進はエネルギー消費を増加させる。したがって、食事誘発性熱産生亢進は肥満予防及び改善につながると期待される。これまでの研究で、魚油が食事誘発性熱産生を亢進することを明らかにした。そこで、24時間のなかでどの時間帯に魚油を摂取すると食事誘発性熱産生亢進により効果があるか検討を行なった。マウスに夕方(活動期の初期)に魚油入り餌を投与した場合と、朝方(活動期の終わり)に魚油入り餌を投与した場合では、対照として等カロリーの他の食用油を摂取した群と比べて、夕方に魚油を摂取した場合に食事誘発性熱産生がより亢進することを明らかにした。また、褐色脂肪組織などの組織におけるmRNA発現について解析を行なった。また、これまでの研究で、砂糖の摂取が食事誘発性熱産生亢進につながることを明らかにしたので、砂糖摂取したマウスの褐色脂肪組織におけるmRNA発現について解析を行なったが対照群と比べて特に変化は見られなかった。最後に、ロイシン、イソロイシン、バリンといった分岐鎖アミノ酸(branched-chain amino acid; BCAA)による食事誘発性熱産生への影響について調べる目的で、BCAA混合餌をマウスに投与し代謝測定を行なったが、食事誘発性熱産生亢進は観察されなかった。BCAA摂取による肥満が影響したと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度までに動物実験を終了し、今年度は解析を中心に行なった。現在は、ほぼ予定通りに進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、まず、摂取時間帯によるDIT亢進の違いが見られた魚油投与実験に関して、より詳細に解析を進める。また、砂糖摂取によりDIT亢進に関しては、mRNA発現以外の因子に関して解析を進める。さらに、本研究のまとめとして論文執筆、学会発表を積極的に行う。
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Causes of Carryover |
R6年度国際学会発表予定のため。当該年度に学会発表にエントリーは行なったが、旅費などをR6年度に支出しなければならないため。また、当該年度に論文発表を行い論文掲載料を支払う予定だったが、発表がR6年度になる予定のため。
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