2023 Fiscal Year Research-status Report
小児思春期の過敏性腸症候群における低FODMAP食とグルテン不耐症に関する研究
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22K11852
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
杉山 佳子 (中山佳子) 信州大学, 学術研究院保健学系, 教授 (20600498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 沢子 信州大学, 医学部, 助教(特定雇用) (80762814)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 過敏性腸症候群 / 低FODMAP食 / セリアック病 / 腸内細菌叢 / プロテーム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は、引き続き腹痛、便通異常を主訴に来院した症例において、器質的疾患を否定するための消化器内視鏡検査を行い、好酸球性胃腸炎、セリアック病を鑑別したうえで、過敏性腸症候群(IBS)と診断した症例に対して低FODMAP食を提案した。 低FODMAP食のうち小麦除去が有効な症例は一定数いたが、血清抗組織トランスグルタミナーゼIgA抗体(tTG-IgA)と十二指腸生検からセリアック病と確定診断された症例はいなかった。一方で一定期間の小麦除去の後に、小麦制限解除によっても、明らかな症状の増悪をきたさない症例が確認された。このような症例では、縦断的な病態の解明が必要であると考えられた。 さらに令和5年度は、IBSを含む消化器症状を有する症例において、腸内細菌叢のメタゲノム解析、プロテオーム解析による代謝産物の検討の準備を進めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
被験者リクルート、腸内細菌叢のメタゲノム解析、プロテオーム解析の準備を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
対象となる症例数を増やし、多数例で病態の解明を進めていく。将来的には小麦除去を継続している症例への除去食以外の治療法を開発し、対象となる小児・思春期患者の健やかな成長、さらに「食べることを我慢しない」食生活に繋がる研究を推進させたい。また、低FODMAP食が腸脳相関にどのように関与しているのか、病態解析に迫っていきたい。
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Causes of Carryover |
腸内細菌叢解析、プロテーム解析について、研究体制の整備と倫理審査などの準備が主な進捗であり、実際の測定のための外注費が次年度に繰り越されたことが主な要因である。
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