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2022 Fiscal Year Research-status Report

Circadian rhythm sleep disorders and the pathogenesis of Alzheimer's disease

Research Project

Project/Area Number 22K11869
Research InstitutionKindai University

Principal Investigator

久保 厚子  近畿大学, 医学部, 助教 (70647792)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywordsタウオパチー / タウ / 睡眠障害 / 概日リズム
Outline of Annual Research Achievements

睡眠-覚醒にみられる約24時間周期のリズムは概日リズムと呼ばれる。哺乳類において視交叉上核(SCN)が概日リズムの中枢であり、この神経核の神経細胞が睡眠ー覚醒リズムを規定している。睡眠-覚醒リズムに乱れが生じたことで起こる睡眠障害を概日リズム睡眠障害と呼び、アルツハイマー病(AD)では高頻度に見られる。近年、睡眠異常は神経変性疾患の促進にかかわる危険因子とする知見が蓄積されつつあり、睡眠障害の抑制はAD発症の予防や進行の抑制に繋がると考えられている。しかし、睡眠の変化がAD病態に与える影響、両者の関係性はよくわかっていない。本研究ではADの病因で神経毒性が強いと考えられるタウに焦点を当て、タウ病態と睡眠/覚醒サイクル、時計遺伝子の発現リズム、SCN概日リズムなどの解析を通じてタウオパチーの睡眠障害への寄与について明らかにすることを目指す。これによって、神経変性疾患の発症・進行あるいは促進に睡眠障害がいかに関与するのかを検証したい。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

タウオパチーが概日リズム機能にいかにして影響を与えるかを明らかにするために、本研究はタウ病態と①行動リズム、②時計遺伝子の発現、③SCN概日リズム の測定などを我々の技術と知見に立脚する。
本研究の初年度である2022年度は、①PS19マウスの個体復元を行い、マウスの匹数を増やしている。行動リズムにより睡眠障害を評価する解析法の開発を進め、確立した。現在、構築した解析法を用いて、モデルマウスの行動リズム解析を進めている。
②神経細胞の時計遺伝子および、マウス内在性タウ、ヒト外来性タウの発現リズムをmRNAレベルで追跡するためのISH用RNAプローブを作製し、全てのRNAプローブで特異性の確認が取れた。脳スライスから時計遺伝子とタウの発現リズムをmRNAおよびタンパク質レベルにおいて検証した結果、海馬、大脳・小脳皮質でも概日リズムが認められた。現在、各遺伝子の詳細な概日リズム(周期)の解析を進めている。
③時計遺伝子Per2の発現リズムを観測できるPER2::LucマウスとPS19マウスの掛け合わせを進めている。上記のとおり順調に研究を進めることが出来ている。

Strategy for Future Research Activity

一連の病態解析には半年以上かかり実験の推進に時間を要するが、幸い個体復元で多くの産仔が得られ、そのマウスを個体維持用と解析用マウスに使用して研究を進めることができている。一方で、SCNでのmRNAやタンパク質の定量解析を概日リズムと併せて評価するには多く個体が必要になり、今後も続けて多くの産仔を得ることが必要である。必要な個体数が得られない場合にはIVF-ETにより個体数を増やす予定である。
今年度は行動異常が出現する時期を特定し、タウ病態の際に一般的に出現するNFTや脳萎縮の領域がどのように行動異常に伴うのかについて検証する。2022年度に作製・構築した技術を用いて解析を実施する。
PER2::LucマウスとPS19マウスの掛け合わせ(Per2::Luc/PS19)も進めている。Per2::Luc/PS19マウスが作製できれば、脳スライス培養におけるSCN時計遺伝子の発現リズム解析を進めたい。

Causes of Carryover

2022年度の研究費の使用に関しては申請時に記載した内容に大きな変更はなく消耗品費として使用した。研究については、マウスの個体復元、個体数を増やす、解析法の構築を優先したため、実験試薬は研究進行状況に合わせて優先順位が高いものから順に購入し、研究費の使用計画より抑えることができた。2023年度は、2022年度に構築した解析法を利用し計画通りに研究を進める。具体的には実験動物飼育関連費、組織学実験試薬、分子生物学実験試薬、生化学実験試薬、実験関連器具の消耗品を購入する。また、2023年度は学会で本研究成果を発表する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2022

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] Asymmetry of hysteresis (after-effects) in mice revealed by T-cycle experiments2022

    • Author(s)
      久保厚子、小西啓悦、重吉康史
    • Organizer
      時間生物学会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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