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2023 Fiscal Year Research-status Report

亜鉛シグナルはどのようにして骨格筋の構造と機能を制御しているのか?

Research Project

Project/Area Number 22K11871
Research InstitutionTokushima Bunri University

Principal Investigator

吉開 会美  徳島文理大学, 薬学部, 特別研究員 (00546723)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords骨格筋 / 筋サテライト細胞 / 微量元素 / 亜鉛シグナル / 亜鉛トランスポーター
Outline of Annual Research Achievements

骨格筋は、ヒトにおける亜鉛の貯蔵組織として最大の組織である。しかしながら、骨格筋における亜鉛の役割は十分に解析されていない。近年では老化に伴う亜鉛の減少が骨格筋の機能低下に関連することが示唆されており、骨格筋における亜鉛恒常性のメカニズムの理解が重要であると考える。本研究は、骨格筋における亜鉛シグナルの役割と筋疾患との関連を解明することを目的として、骨格筋の恒常性における亜鉛と亜鉛の制御メカニズムの意義を究明するものである。
本年度は、筋形成および筋再生の中心的な役割を担う筋幹細胞(筋サテライト細胞とも呼ばれる)に着目し、独自に開発したZIP13の発現をGFPで可視化するZip13-GFPノックイン(KI)マウスとZip13-遺伝子欠損(KO)マウスを用いて、ZIP13が制御する筋サテライト細胞の骨格筋形成や再生に関わるメカニズムを解析した。筋サテライト細胞におけるZIP13の発現について詳細に解析するために、筋サテライト細胞の休止期及び活性期に着目して、ZIP13の発現様式を、片側のアレルのみにGFP遺伝子配列を有するGFPヘテロノックインマウスを用いてFACSにより解析した。興味深いことに、GFPの発現は、活性期 (Integrinα7陽性及びCD34陰性)と、休止期 (Integrinα7陽性及びCD34陽性) のサテライト細胞で異なることが示唆された。引き続き、亜鉛が制御する骨格筋の新たな分子メカニズム解明に向けて研究計画に沿って検討を進める予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

ZIP13は筋サテライト細胞および筋繊維に発現し、骨格筋の分化や維持、さらにその回復過程に重要な役割を有していることを見出している。特に、ZIP13の発現様式がサテライト細胞の性状において異なることは、ZIP13がサテライト細胞の役割を制御する重要な分子であることを示唆するものと考えられる。従って、今後は筋サテライト細胞の性状を制御するZIP13の亜鉛シグナルに焦点を当てて、発展的に研究を展開する予定である。

Strategy for Future Research Activity

骨格筋の再生におけるZIP13の個体レベルの役割を精査するために、筋損傷モデルを用いて検討を実施する。具体的にはWTとZip13-KOマウスの腓腹筋に塩化バリウムを投与し、筋損傷および、筋損傷後の回復の過程について、凍結切片を作成しヘマトキシリン・エオジン(HE)染色を用いて、損傷の程度を形態学的に観察する。Zip13-KOマウスにおける筋損傷部位のHE染色データを画像解析することによって、損傷あるいは回復の程度を定量化してデータを精査する。さらにこれらの結果を基にして、損傷部位における筋サテライト細胞の性状についても解析する。具体的には、FACS解析を用いて幹細胞マーカーCD34やサテライト細胞に発現するIntegrinα7を評価する。さらに、サテライト細胞を分取して、転写因子Pax7、筋分化のマスターレギュレーターであるMRF、MyoDなどの遺伝子発現量を定量PCR法によって解析することによって、ZIP13が筋再生においてどのように関わるのかを検討する。

Causes of Carryover

遺伝子改変マウスの維持飼育にかかる費用について、交配計画の見直しなどにより当初予定よりも低い金額で実施することができたため。
また、遺伝子発現軌跡に用いる細胞サンプルの回収量が、当初予定よりも少なかったため、解析対象とする遺伝子数を調整する必要があり、これに伴い遺伝子解析に使用する試薬の購入金額が少なかったため。
現在、当初予定通りに遺伝子解析などを実施できるものと考えており、計画通りの支出が見込まれる。

  • Research Products

    (7 results)

All 2024 2023

All Journal Article (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 2 results) Presentation (4 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] Possible involvement of zinc transporter ZIP13 in myogenic differentiation2024

    • Author(s)
      Shoji Masaki、Ohashi Takuto、Nagase Saki、Yuri Haato、Ichihashi Kenta、Takagishi Teruhisa、Nagata Yuji、Nomura Yuki、Fukunaka Ayako、Kenjou Sae、Miyake Hatsuna、Hara Takafumi、Yoshigai Emi、Fujitani Yoshio、Sakurai Hidetoshi、dos Santos Helo?sa G.、Fukada Toshiyuki、Kuzuhara Takashi
    • Journal Title

      Scientific Reports

      Volume: 14 Pages: 8052

    • DOI

      10.1038/s41598-024-56912-7

    • Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
  • [Journal Article] Zinc in Cardiovascular Functions and Diseases: Epidemiology and Molecular Mechanisms for Therapeutic Development2023

    • Author(s)
      Hara Takafumi、Yoshigai Emi、Ohashi Takuto、Fukada Toshiyuki
    • Journal Title

      International Journal of Molecular Sciences

      Volume: 24 Pages: 7152~7152

    • DOI

      10.3390/ijms24087152

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] 金属トランスポーターZIP14を介する亜鉛シグナルに関する研究2024

    • Author(s)
      中山雄太、原貴史、野口綾香、中井靖乃、吉開会美、大橋拓人、Mitchell D. Knutson、深田俊幸
    • Organizer
      第144回日本薬学会年会(横浜)
  • [Presentation] 筋サテライト細胞に発現する亜鉛トランスポーターZIP13の意義に関する研究2024

    • Author(s)
      橋本匡生、吉開会美、都築秀尚、大橋拓人、原貴史、深田俊幸
    • Organizer
      第144回日本薬学会年会(横浜)
  • [Presentation] 亜鉛トランスポーターZIP13のゴルジ体ストレス応答制御における役割2024

    • Author(s)
      外山莉聖、原貴史、東志織、吉開会美、大橋拓人、深田俊幸
    • Organizer
      第144回日本薬学会年会(横浜) 口頭発表
  • [Presentation] 骨格筋分化における亜鉛輸送体ZIP13の関与の可能性: 脊椎手掌異形成型エーラス・ダンロス症 候群患者のiPS細胞を用いた検討2024

    • Author(s)
      長瀬早咲、庄司正樹、由利優心、大橋拓人、原貴史、吉開会美、福中彩子、藤谷与士夫、櫻井英俊、HGD Santos、深田俊幸、葛原隆
    • Organizer
      第144回日本薬学会年会(横浜)
  • [Book] 薬局、The Journal of Practical Pharmacy.2024

    • Author(s)
      原貴史、吉開会美、深田俊幸
    • Total Pages
      3
    • Publisher
      南山堂
    • ISBN
      978-4-525-94002-7

URL: 

Published: 2024-12-25  

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