2022 Fiscal Year Research-status Report
COVID-19の長期後遺症に関わるEBウイルス再活性化制御因子の探索
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22K11884
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Research Institution | Nihon Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
井上 裕子 日本薬科大学, 薬学部, 教授 (50367306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
美島 健二 昭和大学, 歯学部, 教授 (50275343)
岡田 直子 日本薬科大学, 薬学部, 講師 (50636165)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | Epstein-Barr virus / SARS-CoV-2 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)によるコロナウイルス感染症2019(COVID-19)は、世界中で猛威を振るっている。その症状は様々でほとんどの感染者では重症化はせずに軽症から中等症でその後回復する。しかしながら、たとえ軽症で経過しても、その約30%に長期的な後遺症が認められ問題視されている。その症状と、Epstein-Barr virus(EBV)の再活性化を認める伝染性単核症の症状が似ていることから、臨床症状とEBV再活性化の血清学的調査が行われ両者に相関が見られることが報告されている。 前年度までの検討で、遺伝子改変マウスを用いてEBVの再活性化について臓器毎で再活性化誘導能の差異があり、脳や雄の精巣でEBV再活性化能が高いことが確認できた。 培養細胞を用いて、脳の抽出液によりEBVの再活性化が誘導される可能性が示唆され、脳にEBVが侵入し感染すると他の臓器に比べ、著しく再活性化が誘導され、このことがSARSCov2感染後のBrain fog現象に関わっている事が考えられる。 一方、EBVは唾液腺に優位に感染することが報告されていることから、唾液腺オルガノイドを作成後EBVを感染させ、その病態形成への関与を検討する予定である。現在唾液腺オルガノイドの作成条件の検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昭和大学での唾液腺オルガノイド作成に取りかかり、培養条件の検討を行っている
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、マクログリア由来の細胞株を用いて、EBVの再活性化の誘導能について検討を行う。脳においてEBVが顕著に再活性化されることが、脳神経細胞の形質に由来しているのか、脳内の液性成分により再活性化が誘導されるのかについて検討を行う。 一方、唾液腺オルガノイドを作成してEBVの感染モデルを作出する.
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Causes of Carryover |
唾液腺オルガノイド作成の培養に使用する試薬が輸入品で入手出来なかった。次年度に改めて購入する予定。
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