2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K11909
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
玉置 卓 兵庫県立大学, 情報科学研究科, 准教授 (40432413)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 厳密アルゴリズム / 近似アルゴリズム / 計算困難 / 制約充足問題 / 充足可能性問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の第一の目的は, 計算限界証明技法に触発されたアルゴリズムの設計と解析を行うことである. 従来の分枝限定法, 局所探索や数理計画法とは全く異なる, 計算限界証明技法を活用したアルゴリズムは大きな可能性を秘めている. 現状では特定の技法が活用されているのみであるので網羅的な研究を行う. 本研究の第二の目的は, 制約充足問題と量子計算の組合せの研究を行うことである. 従来か ら行われている制約充足問題に対する量子アルゴリズムの研究を発展させるとともに, 量子 版制約充足問題に対する古典および量子アルゴリズムの研究にも取り組む. 本年度は第一の目的について以下の成果が得られた. 厳密指数時間アルゴリズムを設計する強力な技法のひとつに包除原理がある. 例えば, 教科書 [Fomin and Kratsch, Exact Exponential Algorithms] ではパーマネント, 有向ハミルトン路, ビンパッキング, グラフ彩色数などの問題に対して, 2^nのような計算時間を持つアルゴリズムが紹介されている. 包除原理はすべての部分集合に関する和を計算するという点で#SATと類似性がある. 本研究では, 包除原理を論理回路の#SAT問題として定式化することで, 2^n時間より高速なアルゴリズムを設計できる場合があることを示した. 具体的には, 定式化に用いる論理回路がAC^0[m]の部分クラスにできるような包除原理の使い方をする場合である. 特にmod 2の数え上げについては様々な問題がこの条件を満たしている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究としてかかげた2つの目標のうち, 1つについては具体的な結果が得られており論文投稿の準備を進めている段階である. また, もう1つの目標についても, 期間中に行った在外研究において専門家と研究打合せを何度も行い, 部分的な結果がすでに得られている.
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Strategy for Future Research Activity |
上述したように, 本研究の第2の目的について部分的な結果が得られており, 継続的に研究を進めて出版可能な結果へと強めていきたい. また, 旅費を活用して国内外の研究者と連携することで, 新たな方向性や有用な技法を探求する.
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Causes of Carryover |
新型コロナ流行の影響で過去の研究費の執行計画が変わったことに伴い, 本年度の予算執行が申請書の通りに行えなかったため
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