2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K11913
|
Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
西澤 弘毅 神奈川大学, 工学部, 准教授 (60455433)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 表現定理 / 二項関係 / ストーン双対性 / べき集合 / クオンテール |
Outline of Annual Research Achievements |
集合的表現定理を拡張したストーン双対性の例が数多く知られている一方、べき集合クオンテールの関係的表現定理はストーン双対性へ拡張された例がない。本研究では、べき集合クオンテールの関係的表現定理を拡張したストーン双対性を得ることが最終目的である。 そのために、2022年度から2023年度にかけては、表現定理をストーン双対性へ拡張するための申請者自身による2020年の既存手法であるオプファイバー内包理論を一般化し、べき集合クオンテールの関係的表現定理に具体化するための準備をすることが計画されている。 オプファイバー内包理論は圏Set上のアイレンベルグムーア圏に適用できた実績があるが、べき集合クオンテールの圏に適用できるかどうか明らかではなかった。しかし、2022年度の研究の成果として、べき集合クオンテールの圏が圏Rel上のアイレンベルグムーア圏であることがわかった。そのため、SetとRelを含む形でオプファイバー内包理論を一般化できれば、べき集合クオンテールの圏にも適用できることがわかった。 また、申請者自身による2012年の既存研究で、任意のべき集合クオンテールが,ある二項関係をもとにしたべき集合クオンテールに埋め込めることが証明されているが、埋め込める根本的な理由はわかっていない。今回の成果は、べき集合クオンテールと二項関係の間の1つの強いつながりを意味する成果であり、埋め込める根本的な理由を明らかにする手がかりにもなり得る。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
オプファイバー内包理論は圏Set上のアイレンベルグムーア圏に適用できた実績があり、今回、べき集合クオンテールの圏は圏Rel上のアイレンベルグムーア圏であることがわかった。 これにより、SetとRelに共通する性質を利用できるようにオプファイバー内包理論を一般化すれば良いことがわかるため、一般化の方向性が定まったという点で、順調といえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、SetとRelに共通する性質を利用できるようにオプファイバー内包理論を一般化する計画である。オプファイバー内包理論は、圏A,B,Mと、BからAへの関手Rと、MからAへの関手cが与えられ、それらが指定された条件を満たす場合に、適用できる理論である。 Set上のアイレンベルグムーア圏に適用する場合は、BとしてSetの反対圏を用い、Aとしてアイレンベルグムーア圏を用いた。Rel上のアイレンベルグムーア圏に適用する場合に、同様にBとしてRelの反対圏を用いることができるかどうか、などを検証していく。
|
Causes of Carryover |
2022年度は新しいラップトップ型のコンピュータを購入しなくても研究が遂行できたため。コンピュータは翌年度に購入する予定である。
|