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2022 Fiscal Year Research-status Report

自発的分散到着を促すシステム設計のための待ち行列ゲーム解析

Research Project

Project/Area Number 22K11927
Research Institution防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群)

Principal Investigator

佐久間 大  防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 電気情報学群, 准教授 (00434027)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 福田 恵美子  東京工業大学, 工学院, 准教授 (50546059)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords待ち行列理論 / ゲーム理論 / エージェントベースモデル / シミュレーション / 実験室実験 / 限定合理性
Outline of Annual Research Achievements

今年度は,到着客が待ちに加入するか否かの待ち行列ゲームについて,その均衡解は客がどのように待ちを経験して活用すれば発現するかを,エージェント・ベース・モデル(ABM)を用いてその構造を明らかにした。ここでは特に,ABMにおいて客が待ちの経験をある程度積み重ねたのちそれを徐々に活用させた。さらに,客が退去時に得た総報酬(サービス完了利得と待ち時間費用の差)と加入時に観測した待ち客数を用いて,その客がそれまでに保持していた加入に関する閾値を更新させる手順を提案した。ABMにおけるこれらの学習構造により,待ち行列ゲームの均衡解が示す待ちに加入する閾値がABMでも発現することを示せた。幾つかの数値実験を通じて分かったことは,サービス時間分布の分散が小さいほど,ABMにおける閾値の収束の様子が,日数の経過につれてより安定する様子が見られたことである。これは,サービス時間のバラつきが客の加入・非加入に強く影響を及ぼすことを示唆している。
一方,実験室実験による理論結果の検証については,新型コロナウイルス感染症の影響を受けて研究協力者(実験参加者)が集まらないため,実験実施は見送らざるを得なかった。実験室実験の代わりに,複数の学習過程を用いたシミュレーションをそれぞれ実施しその結果を比較することで,理論結果の計算機実験での検証を試みた結果,客の学習方法の違いが結果に顕著な差異をもたらすことを明らかにした。客が学習に用いる情報の種類により混雑が緩和され得ることも示唆されたため,今後,より詳細な設定・比較検証をすることで,効果的な情報提示により混雑低減をする仕組みを提案したい。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

現在,待ち行列ゲームの理論解析として,一般のサービス時間分布をもつ単一窓口待ち行列について,到着客が加入・非加入の意思決定を行う待ち行列ゲームを考え,それを行列解析法の手法も取り入れることで,均衡を実現する解の計算アルゴリズムの導出を試みている。よって,待ち行列ゲームの理論解析の観点では,本研究課題は概ね順調に進んでいると言える。一方,これまでに得られている理論結果の検証を行うための実験室実験については,新型コロナウイルス感染症の影響を受けて実施できなかったため,対人での実験研究については,やや遅れていると言える。ただし,代替手段として計算機実験を実施し新たな知見が得られている。

Strategy for Future Research Activity

待ち行列ゲームの理論解析については,一般サービス時間分布をもつ待ち行列ゲームの理論解析を引き続き進めることで,サービス時間分布の違いが客の到着に関する意思決定に与える影響を明らかにし,客を分散到着させるための知見を得る。一方,実験研究については,社会状況に注視しつ研究協力者を募集し,実験室実験を実施して理論検証を進める。また,計算機実験(シミュレーション)についても継続して実施し,どのような客を仮定した場合に,どのような情報を提示することで客の到着時間をコントロールして混雑低減が可能になるか明らかにしていく予定である。

Causes of Carryover

新型コロナウイルス感染症の影響が収まっておらず,対面での実験室実験が実施できなかったため,主に謝金などの人件費を繰り越している。また,フィールド実験もできなかった。前者については,令和5年度以降に,順次実施予定の実験参加者への謝金,および実験補助やデータ解析補助を担当する研究協力者への謝金に充当する予定である。また,令和5年度以降はそれまでの研究成果を学術会議等で報告するための旅費としても使用していく予定である。

  • Research Products

    (5 results)

All 2023 2022

All Presentation (4 results) Book (1 results)

  • [Presentation] Naorモデルにおける閾値戦略を再現するエージェント・ベース・モデル2023

    • Author(s)
      ヤン・リン・アウン,佐久間大
    • Organizer
      2022年度待ち行列シンポジウム
  • [Presentation] M/M/1待ち行列を基にした待ち行列ゲームにおける閾値戦略を再現するエージェント・ベース・モデル2023

    • Author(s)
      ヤン・リン・アウン,佐久間大
    • Organizer
      日本オペレーションズ・リサーチ学会2023年春季研究発表会
  • [Presentation] 損失が財配分に与える影響 ‐ 経済実験による検証2022

    • Author(s)
      井上幸大, 竹内あい, 福田恵美子
    • Organizer
      日本オペレーションズ・リサーチ学会2022年秋季研究発表会
  • [Presentation] 損失が税の再分配に与える影響2022

    • Author(s)
      井上幸大, 竹内あい, 福田恵美子
    • Organizer
      日本行動経済学会第16回大会
  • [Book] 選挙・投票・公共選択の数理2022

    • Author(s)
      日本応用数理学会 監修・ 大山 達雄 編
    • Total Pages
      325
    • Publisher
      共立出版
    • ISBN
      9784320019560

URL: 

Published: 2023-12-25  

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