2022 Fiscal Year Research-status Report
Generalization of LiNGAM for confounding
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22K11931
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鈴木 譲 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 教授 (50216397)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | LiNGAM / 相互情報量 / 因果推論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、拡張されたLiNGAMの開発と効率的な処理方法の構築に取り組み、初年度から以下の成果を得ることができた。
まず、清水昌平氏が考案したLiNGAMの枠組みを拡張し、交絡の存在にも適用可能な手法を提案しました。従来のLiNGAMでは、相互情報量が0となる変数の順序を仮定していましたが、本研究では交絡の大きさを相互情報量とみなし、その最小値を求めるモデル化を行いました。また、最短経路問題を用いた効率的な解法を開発しました。これにより、実データにおいても交絡の影響を考慮しつつ因果関係を推定することが可能となった。さらに、連続データに関する相互情報量推定方法についても検討しました。既存の方法を検証し、局所的な相互情報量を別々に計算し、その和を求める手法を提案しました。これにより、高次元データにおける相互情報量推定の精度と効率を向上させることができました。さまざまな相互情報量推定手法を比較・評価し、新たな手法がより優れた性能を発揮することを確認した。
研究の成果として、"Yang-Suzuki 2022"および"Zhang-Suzuki 2023"の論文が出版された。これらの論文は、研究の新たな枠組みと手法を提案し、その有用性と革新性が国際学会や学術コミュニティで高く評価されました。拡張されたLiNGAMの開発と効率的な処理方法の構築において、初年度から重要な成果を達成し、国際的な評価を受けることができた。今後は、これらの成果を基にさらなる研究の展開を進めていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
まず、研究の目的である拡張されたLiNGAMの開発について、初年度から重要な成果を達成した。交絡の存在においても有効な因果推論手法としてのLiNGAMの拡張に成功し、その新たなモデル化と解法を提案した。さらに、最短経路問題を利用した効率的な処理方法を開発した。これにより、実データにおける因果関係の解明や推定がより正確かつ効率的に行えるようになった。
また、連続データに関する相互情報量推定方法についての研究も順調に進展している。既存の手法を検証し、新たな手法の提案を行った。局所的な相互情報量を別々に計算し、それらの和を取る手法を開発したことで、高次元データにおける相互情報量推定の精度と効率を飛躍的に向上させることができた。
研究の成果として、上記の2論文が国際的な評価を受け、採用された。これらの論文の採用は、拡張されたLiNGAMの研究成果が国際的なコミュニティから高い評価を受けていることを示している。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、研究の拡張性を高めるために、拡張されたLiNGAMのモデル化や解法の応用範囲をさらに広げていきたい。交絡の存在においても有効な因果推論手法としてのLiNGAMの優位性を確立し、実世界のデータに対して適用可能なツールとしての信頼性を高めていくことが重要である。
さらに、非線形モデルへの応用にも取り組みます。条件付き独立性の検定や変数間の順序同定において、関数の具体的な形を特定せずに高い精度を実現するための手法を開発していきたい。これにより、より複雑な因果関係を捉えることができるだけでなく、実世界のデータに対しても適用可能な柔軟性を持ったモデリング手法の構築を目指す。そして、離散値を取る変数に対するモデリング手法についても研究を進めたい。変数と雑音の直交性を定式化し、2値だけでなく3値以上を許容する一般的な場合においても有効な手法を提案したい。変数の種類の多様性に対応できるモデル構築手法の開発により、実データの解析や応用領域での有用性を向上させていきたい。
研究の成果を広く学術界に発信するために、引き続き国内外の学会や専門誌での発表や論文投稿を行い、研究コミュニティとの知見交換を図りたい。また、他の研究者や学生との共同研究や協力関係の構築も積極的に行い、異なる視点からのアイデアや知識の交流を促進していく所存である。
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Causes of Carryover |
コロナのため共同研究のための海外出張ができず、次年度に持ち越しになった。
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Research Products
(5 results)