2022 Fiscal Year Research-status Report
COVID-19のオープンデータを用いた時系列解析による政策等の影響分析と教育化
Project/Area Number |
22K11946
|
Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
濱田 悦生 大阪工業大学, 情報科学部, 教授 (20273617)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | COVID-19 / SARIMAモデル / VARモデル / Granger因果性 |
Outline of Annual Research Achievements |
厚生労働省による COVID-19 のオープンデータを用いた時系列解析を実施することにより, PCR 陽性者数や感染死亡者数等に関する時系列データから, 如何にそれらの関連性や因果性があるかを時系列モデルを基に解析することが研究の概要である。 令和4年度の研究計画としては、令和 2年1月から令和 4年 3月までのオープンデータに対して,1. PCR 陽性者数データのスクリーニング、2. ウイルスの変異傾向における時系列 (SARIMA) モデルの推定、3. PCR 陽性者数, 重症者数と感染死亡者数との VAR モデルにおける Granger 因果性の推定、を様々な解析期間(1 か月間, 2 か月間, 3 か月間など)において都道府県別及び全国集計から実験計画的な手法を用いて分析することを予定していた。 都道府県別データでのスクリーニングを実行してみると、オープンデータの感染死亡者数において、茨城県・兵庫県・熊本県に不備や問題があることが判明した。令和2年5月9日から令和5年3月31日までの感染死亡者数のSARIMAモデルによる分析結果としては、SARIMA(2,2,3)x(1,0,1)[7] モデルが多く選ばれ、2階差分がどの都道府県でも推定された。令和2年1月6日から令和5年3月31日までのPCR陽性者数のSARIMAモデルによる分析結果は、ほぼどの都道府県も同じような結果となり、SARIMA(2,0,3)x(1,1,1)[7] モデルが多数であった。 VARモデルにおけるPCR陽性者数と感染死亡者数における Granger 因果性における分散分解では、1次差分を行い VAR(15) モデルを推定し、感染死亡者数に対するPCR陽性者数の90日後の影響割合が20%であった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度で計画していた予定に対して、ほぼ計画通りに実行することが出来て、データ収集と分析結果においては、SARIMAモデルを適用して都道府県別の結果を、PCR陽性者数と感染死亡者数において得ることが出来た。また、選択されたSARIMAモデルを用いたクラスター分析も実施したことで、都道府県データの大まかな分類も得られた。 以上の結果から、進捗状況としては概ね順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和5年度としては、令和 2年 1月から令和 5年 3月までのオープンデータの分析結果を踏まえた 1 年目の到達点を基に,1. PCR 陽性者数, 重症者数と感染死亡者数との VAR モデルにおける Granger 因果性の推定、2. 緊急事態宣言時のダミー変数として追加したモデルの推定、3. 政府の対応政策 (蔓延防止対策など) を都道府県別に検証、を様々な解析期間 (1 ヶ月間, 2 ヶ月間, 3 ヶ月間など) に対して,実験計画的な手法を用いて効率的に分析する. 2年目(令和5年度)は, 研究計画での計画 (1) に対応している。 令和4年度の研究結果を踏まえて、特に感染死亡者数に対する他の要因なども加味してVARモデルへの適用も予定している。また、都道府県別の結果からクラスター毎の分析の実行も予定している。
|
Causes of Carryover |
事前に想定していたPC購入用の予算に対して予算額より安く購入出来たため、次年度使用額が「0」より大きくなった。 令和5年度では、繰り越し分も含めた額に対して、機動的な研究推進に向けてモバイル機器の購入を予定しており、書籍購入も含めて助成金を使用する予定である。
|