2023 Fiscal Year Research-status Report
Transistor Array Measurements for Physical Unclonable Function with Flexible Printable Transistors
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22K11966
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
小笠原 泰弘 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 主任研究員 (30635298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 高史 京都大学, 情報学研究科, 教授 (20431992)
栗原 一徳 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 主任研究員 (30757414)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 有機トランジスタ / 多素子測定 / 信頼性評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度開発した多素子測定用基板を用い、有機トランジスタの長期信頼性の評価のための環境を構築した。当初、多素子測定基板を2つ使用し、2次元アレイTEGチップを用いて1000素子規模の測定を試みた。しかし、ゲート酸化膜の短絡故障の発生率が高い場合、短絡のパスができてしまい2次元アレイでの測定が困難であることが判明し、1000素子規模の評価は製造や設計の改良により短絡故障の発生率が十分に低減された後に行うべきであることを確認した。 次に、64素子の長期信頼性評価を評価する環境の構築を行った。単発の多素子測定は環境が構築されていたが、長期間の測定となる場合、様々な要因により測定環境が停止してしまう事態に直面し、実運用に至るまでに時間を要した。数か月にわたり停止することなく自動で測定を続ける環境の構築に成功し、データの取得を行った。取得したデータから数か月間の継続的な有機トランジスタの劣化傾向、太陽光による特性変動等の詳細なデータが得られた。今後さらに解析を進め、論文誌等に発表を行う予定である。 また、次年度以降の評価に向けて、論理ゲート素子の長期評価のためのTEGのためのマスク設計を行った。論理ゲート素子は過去の研究では主に入力電圧ー出力電圧の関係で動作を評価されることが多かったが、本研究では遅延の評価を予定している。有機トランジスタの回路の波形は一般的な波形測定装置では測定が難しいため、有機トランジスタの特性に対応した測定装置を用いて測定環境を構築する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた多素子の長期信頼性評価について、1000素子規模の評価について一旦保留せざるを得なかったが、一方で数か月にわたる長期間の評価という挑戦的なマイルストーンを達成しており、研究は順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は当初の計画にあったデジタル回路の長期的信頼性評価を進める。基本論理ゲートの評価やPUF回路等の評価を予定している。本研究課題で提案した長期的信頼性評価手法が様々な回路に応用可能であることを示し、基本論理ゲート等の長期的信頼性についての知見を得る。
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Causes of Carryover |
本年度は論文発表ができなかったため、論文発表に係る出版費用、英文校正費用を次年度に繰り越し、次年度において論文発表を行う予定である。
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