2022 Fiscal Year Research-status Report
高負荷システムにおける迅速なコンテナマイグレーション
Project/Area Number |
22K11977
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
光来 健一 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 教授 (60372463)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 仮想化 / コンテナ / マイグレーション / 仮想マシン / クラウド |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、VM外でのプロセスマイグレーション(課題(1))とVM外でのコンテナマイグレーション(課題(2))に取り組んだ。 課題(1)については、VMの外側でプロセスの状態を保存する機構を開発した。そのために、VM内のOSのメモリを解析することによってプロセスの中の保存する必要がある状態を取得できるようにした。具体的には、保存対象のプロセスのIDからOSのメモリ上にあるプロセス構造体を探索し、その構造体の中に格納されているポインタをたどることによって目的の情報が格納されている構造体を見つける。例えば、保存に最も時間がかかるメモリ情報の場合、まずプロセス構造体からメモリ構造体を探し、次にプロセスの仮想メモリ領域に関する構造体を見つけ、アドレス等の情報およびメモリデータを保存する。OSデータの解析を容易にするために、これまでに開発してきた解析フレームワークを新しいLLVM処理系や新しいOSに対応させた。プロセスの状態保存の性能を様々な条件で調べた結果、メモリ情報の保存時間がVM内の負荷の影響を受けず、ばらつきも抑えられることが分かった。 さらに、VMの外側からプロセスの状態を復元する機構についても取り組みを開始した。OSデータの書き換えを可能にするために、解析フレームワークを拡張してVMのメモリを書き換えられるようにした。そして、この拡張フレームワークを用いて、プロセスの一部の状態を正しく書き換えられることを確認した。 課題(2)については、コンテナマイグレーションに必要となる状態をVMの外側で保存する機構の開発を開始した。VM外でのコンテナの状態の保存・復元は容易ではないことが判明したため、その開発を支援するためにVM内の状態保存・復元機構と連携する仕組みを構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
課題(1)については、次年度に予定していたプロセスの状態を復元する機構の開発にも取り組み始めることができた。一方、課題(2)についてはコンテナのすべての状態をVMの外側から保存することまではできなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
課題(1)については、VMの外側からプロセスの状態を復元する機構の開発を継続して行う。そして、プロセスのマイグレーション時間の評価を行う。 課題(2)については、VMの外側からコンテナの状態を保存できるようにし、状態の復元への取り組みも開始する。 課題(3)については、コンテナに関する様々な情報をVMの外側から取得できるようにする。
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