2022 Fiscal Year Research-status Report
A Study on Efficient Program Reversibilization with Minimum Extra Data
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22K11983
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
横山 哲郎 南山大学, 理工学部, 教授 (80456631)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 可逆計算 / 可逆プログラミング / ゴミデータ / 可逆化 / 単射化 / 文字列照合アルゴリズム / Rabin-Karpアルゴリズム / g-minimality |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主目的はゴミ出力量を最適化した可逆化の方法を構築し特定の問題領域における可逆化への系統的な適用をすることである。任意の単射部分関数に対するゴミ出力がない可逆化は知られていたが、任意の部分関数に対するゴミ出力がある場合の(1)最適な一般解法や(2)特定の問題領域への系統的な適用は知られていなかった。本年度はこの両者に一定の成果が得られた。 (1)重要な問題のひとつは、余剰出力が最小限な可逆プログラムが存在するかである。可算領域上の部分関数を実装するプログラムについてこの問いに答えるため、我々は、無限ゴミ集合に関する順序及び最小性の概念を導入した。我々は、決定可能及び半決定可能な述語で指定された関数のための2つの方法を提示した。両手法は普遍的であり、述語で指定された全てのプログラムに対して適用可能である。これらの方法は、Bennettの古典的な単射関数の入力消去可逆模倣を包含するものである。したがって、チューリング完全なプログラミング言語で書かれたプログラムは、rチューリング完全な可逆言語において、g最小性ゴミをもつものとして実装することができる。ただし、こうした一般化のために生成とテストのアプローチを用いており、相当の実行時間を犠牲にしていることには注意されたい。 (2)文字列照合はアルゴリズムの基本問題である。本年度では、2つの可逆的な文字列照合アルゴリズムを検討した。我々は、基本的な可逆プログラミング技法を用いて、Rabin-Karpアルゴリズムが採用する多項式ハッシュ更新関数の効率的な可逆化を実現した。その結果得られた2つのクリーンな入力保存型可逆アルゴリズムは、追加のメモリ使用量を必要とせず、古典的な非可逆的な元のアルゴリズムと同じ漸近的時間複雑性を持つようになった。この問題の探究を通じて可逆アルゴリズム及び可逆プログラミングの理論の整備に寄与することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた重要な研究課題を解決することができた。すなわち、与えられた関係を計算するゴミ出力が最小で効率的な可逆化ができることを肯定的に示すことができた。さらに、与えられた関係が全域関数及び部分関数のときのそれぞれで構成法を示すことができた。線形探索アルゴリズムにおける効率的な可逆化の検討も進んだ。これらの成果を学術雑誌に発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初に計画していた研究課題のうち、次の2つは個々のアルゴリズムについて検討を進める。(1)与えられた関係が特定の問題領域の部分関数のとき、可逆化できその効率的な構成法を示せるか。(2)得られた成果を可逆プログラムで記述できるか。 長期的にはアルゴリズムの理論を深化させることが目的のひとつである。アルゴリズム設計の観点からは可逆性は制約のひとつであり、この制約下でどのような可逆化が効率的かを明らかにしたい。
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Causes of Carryover |
共同研究者と対面で会うことができたのが1回だけであり、研究打合せは基本的にオンラインで実施した。また、学会についてはオンラインから参加した。
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Research Products
(4 results)