2022 Fiscal Year Research-status Report
Ultra low power communication for next-generation wireless systems
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22K11989
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
太田 香 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 文部科学省卓越研究員(教授) (50713971)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | B5G/6Gネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
超高速通信を無線接続で実現するために、第5世代移動通信システムからミリ波と呼ばれる高周波数帯域の利用が注目されている。しかし、高周波の電波は直進性が強く障害物の多いところでは電波が届きにくいというデメリットがあるため、社会実装までに多くの課題が残る。本研究課題では、ミリ波の通信速度を損なうことなく、いかにして超低消費電力化するかという課題に挑戦する。 本年度は、これまで提案されてきた既存技術(Massive MIMO、Relay、メタサーフェス反射板(RIS)、Backscatterなど)を網羅的に調査し、エネルギー消費や通信効率などあらゆる側面からコストパフォーマンスが最大限となる条件・状況を見極め、関連技術の有機的な融合について検討する。具体的には、ミリ波の使用条件および適用シナリオについてある程度定めることができた。その前提条件のもと、RISを使用した屋内無線通信環境の最適化技術について提案し、シミュレーションによってRISの使用条件やパラメータの設定方法などについても検証した。その研究成果の一部は、国際的な学術論文誌や国際会議論文で発表したほか、国内外の研究会などで情報を発信した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高周波数帯(ミリ波)はその電波特性から、使用条件は非常に難しいため、技術開発の前に、使用条件や使用状況を適切に見極める必要があるため、初年度は、既存技術の網羅的な調査を行い、関連技術の有機的な融合について検討をすることとしていたが、ミリ波の使用条件や適用シナリオについてある程度照準を定めることができた。さらには、その仮定条件をもとにした提案技術を国際的な学術論文誌や国際会議などで発表を行うことができたため、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、当初の計画どおり、高周波数帯を利用するための「知的で省エネな通信制御方式の設計」に入る。提案技術はシミュレーションによる実験を中心に性能評価をする。得られた研究成果は、トップレベルな国際学術論文誌や国際会議を目標に論文を投稿し発表する。
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Causes of Carryover |
初年度に予定していた検証実験は、すべてシミュレーションによって行うことができたため当初計上していた開発ツールキットは購入を見合わせた。来年度以降の実験で必要となった場合を想定し、翌年度分として申請している。その他、旅費についても対面での打ち合わせや成果発表をオンラインで実施したため、来年度以降に繰り越すことになったが、研究計画の遂行には問題がなかった。
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