2023 Fiscal Year Research-status Report
自動運転車の安全性を向上するネットワークプロトコルの研究開発
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22K12000
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
吉田 雅裕 中央大学, 国際情報学部, 准教授 (60785913)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 自動運転車 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本が直面する超高齢化や人口減少の中で,人の移動やモノの運搬を安全に効率化していくために,自動運転車とサイバーフィジカルシステムとの連携への期待が高まっている.これまでの研究では,MEC(Multi-access Edge Computing (5))を活用して,自動運転車からMECサーバまでのモバイル網の区間はRE(Redundancy Elimination)による時間的冗長性の圧縮を行い,MECサーバからクラウドまでのインターネットの区間はgzipによる空間的冗長性の圧縮を行う階層的可逆圧縮方式を提案している.そして,公道で数台の自動車を用いた評価実験を行い,CANデータの平均通信帯域を88%,平均パケット数を99%削減できることを示している.しかしながら,数千台規模の自動運転車が走行する都市交通網における提案方式の有効性は明らかにされていない. そこで本年度は,自動運転車のサイバーフィジカルシステムを実現するためのCANデータ収集基盤の提案と評価を行った.提案方式では,MECを活用して,自動運転車からMECまでの区間をREによる圧縮を行い,CANデータのバッファリングを行ったうえで,MECからクラウドまでの区間をgzipによる圧縮を行う階層的可逆圧縮方式を提案した.実際の都市交通網におけるシミュレーション評価を行い,CANデータのトラヒック量をモバイル網区間は63.2%,インターネット区間は86.9%まで削減できることを示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コンピュータシミュレーションと実際の自動車を用いた評価実験により,提案方式の有効性を評価し論文化することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,LPWAや衛星などの異なる種類の通信インフラを自動運転者に適用する場合の性能評価や,画像やLiDARなどの他の自動車のデータ収集に関するユースケースに対して提案方式の適用を進めていく予定である.
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Causes of Carryover |
2023年度は国内外の出張が発生しなかったため、次年度の出張費として使用する予定である。
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