2023 Fiscal Year Research-status Report
通信環境不利地域を想定した森林エリアネットワークにおける能動的遠隔制御技術の確立
Project/Area Number |
22K12012
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
塚田 晃司 和歌山大学, システム工学部, 教授 (80372671)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 敦司 和歌山大学, システム工学部, 教授 (90283960)
湯崎 真梨子 和歌山大学, 食農総合研究教育センター, 客員教授 (50516854)
中村 誠宏 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 教授 (80545624)
揚妻 直樹 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 教授 (60285690)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 森林エリアネットワーク / 通信環境不利地域 / 情報通信基盤 / 能動的遠隔制御 / センサネットワーク / アクチュエータネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
無線センサネットワークやIoT(Internet of Things)などの情報通信インフラや応用サービスに関する研究が活発に行われている.無線センサネットワークでは,リアルタイムにデータを収集できなくとも,多少の遅延を許容してデータの損失を抑えて収集することに重点が置かれている.一方で,対象を能動的に操作するアクチュエータネットワークは,リアルタイム性が要求されるため,高速,低遅延,低損失な通信品質が保証された比較的小規模なネットワークの利用を想定している. 森林地域のような通信・電力インフラが整っていない条件不利地域においても,設置した各種機器を制御するアクチュエータネットワークのニーズは存在する.森林地域の通信環境は,都市部,郊外と比べて非常に厳しく,また多様である.森林地域のような通信品質の保証が困難,かつ,広域な情報通信インフラを前提としたアクチュエータネットワークの技術課題について,実証フィールドでの運用試験を通じて明確化し,実用化技術を確立する. 2023年度は,新型コロナウィルス感染症の影響で北海道大学和歌山研究林,苫小牧研究林で通信特性,発電特性を運用試験による検証環境の構築が遅れているため,以下を実施した. (1)過去の測定結果などを用いて,森林エリアでの利用を想定しているセンサネットワークにおける通信機能の停止によるデータ損失の回避などを目的として2021年度に提案した通信手法の性能改善の検討と,シミュレーション評価を行った. (2)苫小牧研究林のタヌキに装着した野生動物探査用の920MHz帯発信機の探索を2023年7月と10月に試みた.ドローンを使った電波探知を行ったが受信出来なかった.森林内で電波受信用のタワーの網の整備など観測体制の整備が必要と思われた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画では,実証フィールドとして和歌山県,北海道の2か所の森林で実験する計画だったが,新型コロナウィルスの影響で,現地訪問がかなわない時期が長かったため,北海道大学和歌山研究林,苫小牧研究林で通信特性,発電特性を運用試験による検証環境の構築が遅れている.そのため,過去の測定データを用いてセンサネットワークにおける通信機能の停止によるデータ損失の回避などを目的とした通信手法の検討と評価の成果を学会(情報処理学会第86回全国大会)で発表した.
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は当初計画では最終年度であるため遅れを挽回するべく,以下に取り組む. (1)森林エリアネットワークにおける能動的操作を可能とするアーキテクチャ,プロトコルの検討とシミュレーション評価をおこなう.また,和歌山大学キャンパス内,および,北海道大学和歌山研究林,苫小牧研究林において,能動的操作を可能とするプロトコルの実機検証を行う. (2)前年度から継続して,北海道大学和歌山研究林,苫小牧研究林で通信特性,発電特性を運用試験により検証し,通信環境,電源環境を考慮した情報伝達システムの改善をすすめる. (3)最終年度であるため,これまでの研究成果の総括をおこなう.
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の影響で当初計画が全体的に後ろ倒しとなり,北海道大学苫小牧研究林に出張しての各種作業が計画通りに遂行できない状態となった.そのため,検証環境構築に必要な旅費,物品費などに残額が生じた.また,現地での各種作業の協力者としての学生の謝金にも残額が生じた. 2024年度は最終年度であるため,計画が遅れていた北海道大学苫小牧研究林,和歌山研究林を訪問し,検証環境の構築,実証フィールでの評価に注力する.
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