2023 Fiscal Year Research-status Report
動きのある三次元CADモデルを対象とした高精度検索技術の開発
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22K12042
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
片山 薫 東京都立大学, システムデザイン研究科, 教授 (00336520)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 三次元CADモデル / 検索 / 可動部品 / アニメーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はエンジンにおけるピストンのような動く部品を含む三次元CADモデル(アセンブリモデル)を対象とした高精度な検索技術の開発を目指している。2023年度の実績は以下の通りである。 1.鏡映関係にある三次元CADモデル識別のための特徴量の開発:本研究では問い合わせとして与えられた三次元CADモデルと同一のモデルをデータベースから検索するためモデルの位置や姿勢の違いに頑健な特徴量を利用している。そのため、これまでに三次元ラドン変換、フーリエ級数展開、球面調和関数展開を用いた特徴量を開発したが、この特徴量には鏡映関係にあるモデルを識別できないという問題があった。今年度は新たにバイスペクトルを利用することで鏡映関係のモデルを識別できる特徴量を提案し、実験によってその有効性を確認した。 2.動きのある三次元CADモデル検索のための三次元ラドン変換の効率化:部品の動きによって時間と共に形状の変化する三次元CADモデルを対象とした検索を実現するため、本研究ではモデルの形状を適当な時間間隔でサンプリングすることによって得られる集合を動きのあるモデルの表現とし、問い合わせとして与えられた静止モデルと、サンプリングされた動きのあるモデルの形状とを逐一比較している。検索の過程でモデルを構成する部品ごとに三次元ラドン変換を行うが、サンプリングされたモデルの形状に対して繰り返し三次元ラドン変換を行うのは効率が悪い。多くの場合、動く部品はモデルの中の一部であるため、動いた部品に対する三次元ラドン変換を行うことによって処理を効率化することができる。また部品の平行移動量と回転量を利用して部品が動く前の三次元ラドン変換結果から動いた後の三次元ラドン変換結果を計算することにより処理を効率化する方法を開発し、実験によってその有効性を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画調書に挙げた課題「アセンブリ構造を考慮した動きのある三次元CADアセンブリモデルに対する部品の幾何学的配置を反映した特徴量の構成とそれを利用した効率的な検索アルゴリズムの開発」と「三次元CAD アセンブリモデルの動きを表現するデータ形式」について「研究実績の概要」に記載した通り進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は2022年度、2023年度の研究成果を引き継ぎ、動きのある三次元CADモデルを対象としたより効率的で高精度な検索方法について研究を進める予定である。
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Causes of Carryover |
(理由)研究を進める上で必要となるPCなどのシステム開発機材の購入費が予定よりも少額であったこと、会議参加に必要な旅費などの支出が少なかったことが理由である。 (使用計画)研究の進捗に合わせたシステム開発用機材(PCなど)やソフトウエアの購入、論文掲載料の支払い、研究発表のための出張旅費等に使用する予定である。
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