2023 Fiscal Year Research-status Report
Implementation of Efficient Asynchronously Coupled Computation with Timed Buffer on NVDIMM
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22K12049
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
南里 豪志 九州大学, 情報基盤研究開発センター, 准教授 (70284578)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深沢 圭一郎 京都大学, 学術情報メディアセンター, 准教授 (50377868)
加藤 雄人 東北大学, 理学研究科, 教授 (60378982)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 高性能並列計算 / 通信最適化 / 連成計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
主に時系列バッファ領域の実装に取り組んだ。昨年度の研究実績概要に記述した通り、当初利用予定だったNVDIMMについて、開発元のIntel社が開発を停止したため、NVDIMMとしては依然購入した製品で代用した。一方、ネットワークカードとして、NVIDIA社の最新のネットワークカードBlueField2を購入した。これは、ネットワークカード上にDPU (Data Processing Unit) と呼ばれる汎用プロセッサを搭載したもので、これにより、従来ホストCPUで行っていた処理をネットワークカード上にオフロードすることが可能となる。そこで本年度は、時系列バッファ領域の操作の一部をDPUにオフロードする実装に向けて、まずBlueField2の性能解析を行った。DPUは独自のメモリを有しており、ホストCPUとは独立してOSが稼働している。そこで、ホストCPUとDPUのそれぞれでプログラムを起動し、ホストCPUとDPUの間、ホストCPU内、およびDPU内、のそれぞれについてデータ転送性能を計測した。その結果、ホストCPU内のメモリコピーに比べ、ホストCPUとDPUの間、およびDPU内のメモリコピーは、帯域幅が 1/3程度、遅延時間が 10~20倍程度であった。そこで本年度は、時系列バッファの操作のうち、メモリアクセスの遅延時間が性能に大きく影響しない処理について、DPUへのオフロードする設計を検討した。具体的には、生産プログラム側からの新規バージョンの追加処理については、ホストCPUは処理の開始後、別の処理を並行して進めることができるため、DPUへのオフロードにより時系列バッファ領域の操作時間を別の処理によって隠蔽することが可能となると考えられる。そこで、追加処理関数の内容をホストCPU側とDPU側に分離するよう、設計を変更した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究を進めていく中で、昨年度購入した最新ネットワークカードに搭載されたDPUを活用することで、時系列バッファ領域の操作をホストCPUからDPUにオフロードし、ホストCPUでのオーバヘッドを低減することを着想した。そこで、本年度予定していた時系列バッファ領域の実装について、まず、DPUの性能を解析したうえで、その結果に基づいて、DPUの機能や性能を最大限に活用した時系列バッファ領域を実装できるよう、設計変更を実施した。そのため、本年度で完了する予定だった時系列バッファ領域の実装が来年度となった。しかし、来年度予定していた連成計算での検証は、本年度までの研究でほぼ終わっているため、来年度前半にオフロード型時系列バッファ領域の実装を完了させ、その後、あらためて連成計算での動作検証を行うことで、全体的な計画としては、問題なく進めることができる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度着想した、ホストCPUからDPUに一部処理をオフロードする設計の時系列バッファ領域について実装を行い、それによる効果を検証する。検証には、加藤が開発した電磁圏内の高エネルギー粒子環境をミクロ計算で解くプログラムと、深沢が開発した太陽風の変動に伴う磁気圏構造の変化を磁気流体力学 (MHD) で解くプログラムの非同期連成、および、三宅が開発した人工衛星帯電予測プログラムとの非同期連成を用いる。
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Causes of Carryover |
出張での参加を予定していた学会がオンラインとなったことから旅費が当初予定よりも少なくなった。来年度は、もともと請求していた助成金と合わせることで、本研究の成果についてより積極的に学会発表を行うための旅費として使用する予定である。
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