2022 Fiscal Year Research-status Report
自動運転に向けた車載カメラ映像の次世代高画質化技術の確立およびその実装
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22K12072
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
後藤 富朗 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20324478)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ブラインド画像復元 / 車載カメラ映像 / ぼけ・ぶれ補正 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度の研究実績の概要としては、以下の3点である。 (1) ブラインド画像復元法の性能評価:フレーム平均法を用いて様々なぶれ・ぼけ画像を生成し、提案したTV正則化法とShockフィルタの組み合せによるブラインド画像復元法を用いて画像復元を行った。その結果、大きなぶれ・ぼけ画像に対する復元性能が低下することを確認した。この性能低下を補うようにアルゴリズムの改良を次年度に行う。 (2) 車載カメラ映像へのブラインド画像復元法の適用:車載カメラを持ちて映像を撮影し、路面状況や逆光、夜間等、様々なぶれ・ぼけ画像を生成し、これらの映像から静止画像を生成することで、ぶれ画像復元性能について調査した。その結果、高速走行におけるぶれ画像の復元性能や逆光時の映像に対する復元性能が低下することを確認した。 (3) 車載カメラ映像へのノイズ除去法の適用:昼間などの明るい撮影環境下における映像ではノイズ混入はほぼ皆無であり、ノイズによるぼけ・ぶれ復元性能への影響は少ないことを確認した。また、夜間などの暗い撮影環境下では、撮影画像へのノイズ混入が大きくなり、ノイズの影響がぼけ・ぶれ画像の復元性能低下を招く結果となった。そのため、ノイズ除去法を適用させ、ノイズ除去を行った画像に対してぼけ・ぶれ復元を行うことで、復元性能の向上を図り、ノイズ量が比較的少ない場合にはぼけ・ぶれ性能が改善することを確認した。ただし、ノイズ量が多い場合にはぼけ・ぶれ性能の改善が行えていないため、次年度はノイズ量が多い(かなり暗い)映像に対するぼけ・ぶれ復元性能の改善を図る。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画においては令和四年度において①ブラインド画像復元法の性能評価、②車載カメラ映像へのブラインド画像復元法の適用、③車載カメラ映像へのノイズ除去法の適用を予定しており、概ね実現することができた。令和五年度においては、ブラインド画像復元処理の高速化を図り、ワークステーション上でのリアルタイム処理の実現を目指す。
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Strategy for Future Research Activity |
令和五年度は、以下の2点について重点的に研究を進める。 (1) ブラインド画像復元処理の高速化:ブラインド画像復元処理アルゴリズムを見直し、省略できる部分や高速化するための最適なパラメータを導出し、ぼけ・ぶれの推定性能を維持しつつ、高速化を図ることで、処理の高速化を実現する。 (2) ワークステーション上でのリアルタイム処理の実現:まずは比較的低い解像度での動画像処理に対してGPUカード単体でのリアルタイム処理を実現し、解像度を上げた際にリアルタイム処理が実現できる必要なGPU性能を計算する。次に複数枚のGPUカードを強調動作させ、リアルタイム処理を目指す。
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Causes of Carryover |
国際会議がオンライン開催となったため、その旅費相当分が残額として残った。この残額と翌年度分の助成金とを合わせて旅費や論文掲載費に充当する。
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