2023 Fiscal Year Research-status Report
ハイパースペクトル画像の実応用とサイバー環世界の構築
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22K12081
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
小篠 裕子 東京電機大学, システムデザイン工学部, 准教授 (20782098)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ハイパースペクトル画像 / 画素毎分類 / VRシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,これまでのコンピュータビジョン技術では,実現することが困難であった様々な課題について,ハイパースペクトル画像を利用した解決手法を検討,提案し,ハイパースペクトル画像の可能性と問題を明らかにするものである.
本年度は,①ハイパースペクトル画像データセットの構築と②サイバー環世界システムの基盤技術の開発を進めた.
①ハイパースペクトル画像データセットの構築では,手など,人の皮膚を撮影対象とした学習データセットを構築し,人の特定や分類などのタスクにおいてのハイパースペクトル画像の有効性を検証した.昨年度までには物体を主な撮影対象としていた.構築したデータセットを用いて,手画像においても画素毎分類が可能なことを確かめた.更に,ハンドクリームを塗るなどの塗布物が及ぼす影響についても分析した. ②サイバー環世界システムの基盤技術として,主に2つの研究を実施した.実画像を用いたVRシステムのための三次元画像補完技術と,VRでの色表現をユーザの選択した雰囲気に合うよう学習する手法を提案した.三次元補完技術は,カメラの死角となってしまう部分を補完するためのものである.色表現を学習する手法は今後,サイバー環世界システムの学習の基礎となることを確信している.また,ハイパースペクトル画像分類における前処理としての次元削減効果や,特徴再構成などの効果についての検証も実施し,ハイパースペクトル画像処理をシステムに組み込むことを想定した基礎技術の開発も進めた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各研究項目において学会発表を実施できているため,研究進捗は概ね順調であると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の実施した実験の結果,ハイパースペクトル画像データセットには当初想定していたよりも画像枚数が必要となることが分かった.よって,今年度はデータセットのための画像の追加撮影を実施したい.その他は当初の計画通り,サイバー環世界システム構築のため,色空間の変更手法をVRシステムに組み込むなどの作業を進め,研究成果としてまとめていきたい.
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Causes of Carryover |
想定していた国際会議に落ちてしまったことや,想定よりも実験においてCPUが必要であることが分かったため,今年度余った分の予算はCPUの追加購入に充て,今年度落ちてしまった国際会議は再投稿を狙いたい.
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Research Products
(6 results)