2022 Fiscal Year Annual Research Report
デジタルファブリケーションにおいて高い色再現性を実現する3Dカラー印刷技術の研究
Project/Area Number |
22K12083
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
シラパスパコオウオン ピャラット 神奈川工科大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (10768724)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 3Dプリンt / 3次元印刷 / 色再現性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、3Dプリンタによる3D造形物へのカラー印刷において、忠実な色再現を可能とするカラー印刷技術の実現を目的としており、その実現法として内部反射を考慮した色再現モデルを構築し、このモデルに基づいて表面付近の内部にもカラー印刷層を設けることで色再現範囲の拡大を図る。 令和4年度は。内部反射モデルについてシミュレーションと実験の双方からこのモデルの有効性を実証した。シミュレーションでは、表面のカラー印刷層での反射スペクトルに内部からの反射光のスペクトルを加えた合成出力光のスペクトルを求め、これより再現色を求める。ここで、内部からの反射光は、造形物の透過スペクトルと内部での乱反射スペクトル)の積を深さ方向に積分して求めたスペクトルに、さらに表面のカラー印刷層の透過スペクトルを乗じることによって求めた。 シミュレーション結果から、本研究での提案方法により色再現領域が拡大でき、従来に比べより忠実な色再現が実現できることを確認した。上記のシミュレーションで想定した手法について特許を出願、取得した。 上記シミュレーションによる色再現モデルを実験においても実証するため、実際に3Dプリンタによる3D造形物への内部印刷を試みた。実験では、造形物の表面にのみカラー印刷する従来の方法と、これに加え本研究の方法として、表面に加えて表面から1mmの深さの造形物内部にもカラー印刷層を設ける方法、さらに、1mmの間隔を隔ててさらにその内部にカラー印刷層を設ける方法、すなわち合計2層のカラー印刷層を表面近傍の内部に設ける方法を、試料を試作して評価した。実験結果から、内部にも印刷層を設けることで色再現領域が拡大できること、また、内部の総数が多いほど色再現領域が拡大できることを明らかにした。 以上の実験結果から、本研究で提案した方法の実現可能性を確認できた。
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