2022 Fiscal Year Research-status Report
示指と拇指による繊細な触動作であるつまみ触動作の計測とモデリング
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22K12104
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
池田 篤俊 近畿大学, 理工学部, 准教授 (20609903)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 触覚 / 指腹部変形 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、皮膚感覚の感度が高い身体部位の一つである指先を使ったつまみ動作に よる触動作に対して計測と解析を可能とするシステム構築を目的としており、初年度はつまみ触動作を計測するための新たな指腹部変形計測デバイスの開発を実施した。 我々がこれまでに開発してきた指腹部変形計測デバイスは、MEMS6軸センサを用いて指腹部変形を計測しており、指1本の指先によるなぞり動作の計測を可能とするものであった。しかし、装置が接触面付近まであるためにつまみ動作においては示指と拇指に装着しているデバイス同士が干渉してしまう問題があった。そこで、指先の変形を3次元的に計測し、センサ配置を最適化することとした。具体的には、指先と平らな物体との接触における指腹部側面の変形を3Dスキャナで詳細に計測し、3次元変形の分布を明らかにしながら、指の各リンク長さや厚み、爪などの指形状との関係について解析した。実験結果より、指の先端付近では変形が少なく側面の爪の根本付近で大きく変形している傾向を発見することができた。また、Z方向の分布においては中央付近で大きく変形している傾向が見られた。これらの指先の変形分布の傾向は、被験者5名共に同様の傾向が確認できた。 この実験によって得られた知見に基づいて新しい指腹部変形計測デバイスにおけるMEMS6軸センサの搭載位置を決定することで、従来の指腹部変形計測デバイスに比べて小型かつつまみ動作に影響を与えないデバイス設計が行えることとなる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り指腹部変形の特性計測と解析を実施することができ、試作機の設計を行うことができたため。また、研究成果の一部であるIMUセンサを用いた動作計測技術に関して国際会議での発表が可能となったため、2023年度に予定していた発表を2022年度に早めることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は複数の試作機を製作し、つまみ動作計測に最適な指腹部変形計測デバイスを開発をつつけると共に機械学習を用いた計測データ処理手法の確立を行う。
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Causes of Carryover |
2023年度に予定していた国際会議での発表を前倒しして2022年度に行うために前払いを申請したが、当初の予定額よりも安価に出張が可能であったため次年度使用額が生じることとなった。2023年度において、国内会議での成果発表に使用する。
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