2022 Fiscal Year Research-status Report
3D Pseudo-force Devices using High Frequency PWM Control
Project/Area Number |
22K12115
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
中田 崇行 富山県立大学, 工学部, 准教授 (50381687)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 仮想力覚 / ヒューマンインタフェース / 非対称振動 / 線形アクチュエータ |
Outline of Annual Research Achievements |
仮想力覚提示装置は,線形アクチュエータに高周波PWMを使用した特殊な非対称振動を行わせることにより,触覚よりも一歩進んだ,力覚の錯覚(仮想力覚と称する)を提示する装置です.従来の研究では,この仮想力覚は1次元(1方向)にのみ提示可能であることが報告されているが,本研究では,仮想力覚に2次元,3次元(2方向,3方向)の自由度を持たせることを目的とします.本研究では,直交に配置したアクチュエータに加える非対称振動信号の周波数と位相を同期させることによって,2次元に仮想力覚を拡張する合成振動を生成します.またその非対称振動信号は,高周波PWM信号を制御しながら合成することで,より精度の高い仮想力覚提示を目指します. より具体的には,線形アクチュエータとして使用するモータの振動提示方法を提案します.市販のモータからの非対称振動を指腹に対して水平方向に提示することで,平面方向に仮想力覚を提示する装置が開発されています.しかし,指腹に対して垂直方向に振動を提示した場合の知覚率は水平方向よりも低いことが確認されており,3次元方向への仮想力覚提示は困難でした.同時に,3次元デバイスに用いるためのモータの設計を行いました.市販のものでは全体のデバイスが大きくなりすぎ,実験が行えない事が判明したためです. 自作モータを開発し,それらを使用して3次元方向の仮想力覚を提示するために,指先の側面でモータを把持する方法を提案して,その有効性を確かめました.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験では,既製品と自作モータを指先の側面で把持して,知覚精度を比較しました.振動方向は上下の2方向であり,10名の被験者にランダムで各方向を5回ずつ提示しました.被験者には十分な音量のホワイトノイズを流したヘッドフォンを装着させることで,モータの作動音や環境音の影響を無くしました.その結果,既製品の平均正答率は87%であり,自作モータの平均正答率は92%となりました. 現在までに,指先の側面で把持することで3次元方向への仮想力覚提示が可能であることが示されました.また,自作モータの方が既製品よりも高い知覚精度を示したため,モータの設計においてデバイスごとに振幅の大きさや形状を合わせたモータを作成することが有効であることが分かりました. さらに,指先の側面で把持する方法によって,手の小さな人でも把持しやすくなることが確認されました.
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Strategy for Future Research Activity |
モータ開発とその制御方法には目処がついたため,今後は3次元提示デバイスの設計を行い実際に製作するよていです.また,信号の送り方についても検討を行う予定としています. そうして出来た試作デバイスを順次,より多くの被験者を対象に評価試験を行う事を予定しています.
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Causes of Carryover |
世界情勢の変化のために購入物品の高騰が生じ,計画通りに購入では予算不足の可能性があったため,今年度は手持ちの機器で実験を行い,来年度分の予算と合わせて購入を行う.
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Research Products
(2 results)