2022 Fiscal Year Research-status Report
空間共有感を強化する半自律遠隔身体接触システムの研究開発
Project/Area Number |
22K12126
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 一晶 京都工芸繊維大学, 情報工学・人間科学系, 准教授 (70721877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 夏樹 宮崎産業経営大学, 経営学部, 教授 (20362585)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ロボットハンド / VR / 触覚センサ / ソーシャルタッチ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,ロボットハンドを介して離れた場所にいる相手と手をつないでいる感覚を生み出すために,遠隔操作だけでなく有効な手の動きを自動生成する「半自律遠隔身体接触システム」を開発することである.この目的に向けて,次の成果が得られた. まず,ロボットハンドを握るユーザの手の動きを取得するため,ロボットハンドの皮膚素材の内側に配置してもその柔軟性を損ねないセンサを開発する必要がある.そのようなセンサとして,導電性シリコンゴムを電極として使用し,それを非導電性シリコンゴムにはめ込んだ静電容量式センサを製作した.計測した静電容量から撫でる,くすぐる等の9状態を識別するLSTM(Long Short-Term Memory)モデルを構築した結果,全体で76.2%の正解率で識別可能であることを示した.この成果はインタラクション2023にてインタラクティブ発表賞(PC推薦)を受賞した(全デモ発表164件中,27件がプレミアム採録され,その中からプログラム委員の審査により上位7件(上位4%)が受賞). 次に,ロボットハンドを介した身体接触のためのインタフェースに関する研究も実施した.離れた場所にいる相手をディスプレイに表示した場合,相手の映像は2次元的に表示されるのに対し,その相手の手の代替となるロボットハンドは3次元的に存在するため,それらの間に次元の矛盾が生じる.これに対し,相手の姿をHMD(Head Mounted Display)で3次元的に表示し,その手の位置にロボットハンドを設置することで次元の矛盾を解決するシステムを開発した.このシステムで相手をVRまたはARで表示する2条件と,ディスプレイで表示する条件とを比較する実験を実施し,相手の映像とロボットハンドとの繋がりを最も感じられるVR条件が空間共有感を高める上で有効であることを示した.この成果は投稿準備中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
センサの開発においては,触覚刺激をリアルタイムに取得・識別できるようになり,大きく進展したと言える.その一方で,センサ自体は柔軟であるがセンサの端子とマイコンボードを接続する配線同士の距離が変化してしまうとセンサのデータに大きなノイズが発生してしまうという課題が明らかになった.身体接触用のインタフェースに関する研究については,今後の身体接触デバイスの設計指針となる有用な知見を得ることができ,おおむね順調に進展していると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
センサ開発,身体接触用インタフェースのいずれの成果においても査読付き論文への投稿を進める必要がある.そのために必要な追加実験を実施している.研究の推進においては,ロボットハンド内にセンサを組み込む手法や,それによってどのようにデータを取得するかなど検討を進めている.
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Causes of Carryover |
独立基盤形成支援により3Dプリンタを購入し,ロボットハンド製作の費用を大幅に削減することができた.また,申請者が幹事を務めた研究会を本学で開催し,そこで一部の成果発表を行ったため,申請者や担当学生の出張費が削減された.削減できた費用は翌年度に論文投稿費,学会発表費等で使用する予定である.
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Research Products
(6 results)