2022 Fiscal Year Research-status Report
視線連動型視野障害シミュレーションに基づく視野障害者のための読み支援技術
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22K12129
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Research Institution | Future University-Hakodate |
Principal Investigator |
川嶋 稔夫 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 教授 (20152952)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 視野障害 / VR / 電子リーダー / 読書支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
第1年度は,(1) 仮想現実感を用いた視野障害シミュレータの作成を行なうとともに,(2) 視野障害シミュレータを用いた視覚認識行動の測定を行った.(1)では視線検出機能をもつVR装置を用いて,求心性視野狭窄と同名半盲の2種類について視野障害の見え方を再現した. この装置を用いて(2)では,読書に際して,上記2種類の視野障害がどのような影響を与えるかについて実験を行なった.仮想空間内に電子リーダー(文書提示機能)を作成し,VRで2種類の視野障害シミュレーションを行って読みの実験を行った.実験の結果,求心性視野狭窄においては,視野が狭くなるほど読み速度は低下し,その要因は視線の停留回数の増加にあることが分かった.視野角が10度程度に狭くなると,まず,視線の改行時に停留回数が増加するようになる.さらに視野角が5度程度以下に狭くなると,行の読み進めの際の停留回数が増加し読み速度が低下するようになる.これらの他にも,晴眼時には頭部を固定し眼球の向きだけで読み進めるが,視野が狭くなると眼球の動きに加えて,頭部の動きが発生することがあきらかになった. 同名半盲の場合は,右側同名半盲(右半分の視野が欠損)と左側同名半盲(左半分の視野が欠損)では,読みへの影響が異なってくることが明らかになった.右側同名半盲では,文書方向で読み進める際の眼球運動の幅(サッカード幅)の減少が読み速度が低下の要因になっているが,左側同名半盲では改行の際に次の行の先頭位置を検出する際に停留回数が増加することが読み速度低下の要因であることが分かった.これらの他にも,同名半盲の場合は視野欠損のある側へ頭部の向きを少しずらす特徴があることも分かった. さらに,上記2種類の視野障害において,どのような文書レイアウトが読みやすさにつながるかを明らかにするための実験にも着手し,成果の一部について学会報告を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画調書に書かれている第1年度の内容については,研究実績の(1) シミュレータの開発および(2) 視覚認識行動の推定に関しては,予定よりやや早く研究が進んでいる.ただし,計画調書における視野障害分布パターンの測定の部分に関しては,予算の制約もあって機材の変更を要するため,機材変更の検討を行った.
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Strategy for Future Research Activity |
視野障害シミュレータの開発と,それに基づく読み支援手法の設計に関しては計画通りに研究を進める予定である.一方,視野障害の分布パターンの測定に関しては,予算の制約があるため,現有の機器に測定アルゴリズムを実装する方向で検討しており,第2年度に研究開発を実施する.
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Causes of Carryover |
今後の方策の項目において説明した通り,視野障害分布パターンの測定の研究部分において,機材の変更が発生したため第1年度内には使用されなかった.機材の変更を行ったうえで第2年度に次年度使用額を用いて機材変更後の研究開発を進める計画である.
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Research Products
(2 results)