2023 Fiscal Year Research-status Report
外観検査AIを迅速に構築する外部駆動型視覚注視機構の確立
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22K12169
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
徳永 旭将 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 准教授 (50614806)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 視覚注視機構 / 異常検出 / 画像異常検出 / 外観検査 / 畳み込みニューラルネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、事前に正常画像の再構成を訓練したディーニューラルネットワークの出力から異常度マップを計算し、それを視覚注視機構により教師ありネットワークに導入することで、少ない画像サンプルからでも効果的に異常を検出できる技術の研究を行っている。正常からの乖離度として実際の異常検出に本年度に得られた結果として、外部視覚注視機構で外部より与える異常度マップは、空間的にスパースな性質を持っている方が、異常検出性能の向上に寄与するケースが多いことがわかった。その点を掘り下げ、どのようなケースでどのような空間的スパース性が重要であるかを実験的に調査した。その結果、空間的にスパースな注視マップは、ディープニューラルネットの多くの中間層において、異常検出性能の向上に寄与することが多いことがわかった。逆に、非スパースな注視マップを用いた場合は、最も下位の中間層、ならびに最も上位の中間層(あるいは出力層)において、異常検出性能の向上に寄与することが多いことがわかった。同時に、「過剰な」注視マップは、最も下位ならびに最も上位の中間層(あるいは出力層)以外に注視機構として取り込むと、却って異常検出性能を劣化させることが多いこともわかった。ここまでの結果を査読付きジャーナル論文に投稿し、受理された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
初年度に査読付き国際会議論文に受理され、次年度に査読付きジャーナル論文に受理されたが、当初の構想以上に興味深い知見が得られており、画像からの異常検出や訓練済みディープラーニングモデルに対するアダプテーション技術として、今後様々な展開が期待できるようになったため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に得られた結果により、本研究で研究を進めている外部視覚注視機構は、ディープラーニング以前の特徴点ベースの画像に認識手法と、ディープラーニング以後の表現学習を統合する方法論となり得ると考えている。掘り下げると、外部視覚注視機構は、異常領域の位置情報をディープニューラルネットワークに陽に取り込む機構として応用できると考えられる。一般に、ディープニューラルネットワークでは、位置情報がどのように符号化されるのか未解明の部分があり、目的に応じて制御することは容易ではない。従って、ユーザが意図しない表現で、検出対象物体の位置情報が符号化されてしまう可能性がある。この困難性は、検査対象となる製品が画像上で通常とは異なる位置で置かれている、すなわち位置ずれがあると、異常検出性能が極端に低下することがある。外部視覚注視機構によって、位置情報の符号化プロセスを制御できることができれば、位置づれなどの環境変化に強い異常検出器の構築につながると期待できる。3年次にはその仮説の検証を中心に進める。
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Causes of Carryover |
消耗品などの使用がなかったため、2,317円の繰越額が発生した。3年次の消耗品費用として使用する。
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