2022 Fiscal Year Research-status Report
Study of distributed evolutionary computation for interrelated multi-objective optimization problems
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22K12185
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
佐藤 裕二 法政大学, 情報科学部, 教授 (20328909)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 未来子 東海大学, 情報通信学部, 准教授 (20626030)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | Distributed NSGA-II / Divide-and-conquer / Distributed MOEA/D / Ideal Point / Multitasking / Heterogeneous |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) 重みベクトルの分解に着目した手法を代表するMOEA/Dに関して、単一CPUにおける理想点の変化を観測することで、初期段階では急激な変化がある一方で、解探索の途中から緩やかな変化に切り替わる傾向があることを調査・分析した。この実験結果を基に、理想点の変化を観測しながら、重みベクトルの基準となる理想点の値を調整するための妥当な間隔を自律適応的に決定する方式の検討を行った。具体的には、探索過程での(世代数が異なる)幾つかの理想点の値を標本データとして、最小二乗法などの統計的最適化法を用いてcore間で理想点の値を補正するための移住間隔を決める方式の検討を行い評価実験を開始した。 (2) また、より大規模な並列環境を想定して、基本的にcore毎に独立して理想点を推定する方式の検討を行った。具体的には、探索途中の非劣解集合の端(エッジ)の重みベクトルを全てのcoreで共有し、残りの重みベクトルは、各coreに(モジュロ演算などを用いて、できるだけ)均一に割り当てる並列分散方式を提案した。また、パレートフロントの広がりを維持する力を強めるために、子個体を生成するための遺伝子操作において、オリジナルのMOEA/DのようにT-近傍内のランダムに選択した2個体を親個体とするのではなく、一方の親個体は当該重みベクトルが保持している個体を用いることとした。本手法に関しては簡単な評価実験を開始して有効な実験結果を得たために、ACM/SIGEVO主催の国際会議GECCOのポスターセッションに投稿して採択された。 (3) 今後、相互性を有する多目的問題の解法を考える際に、現在の遺伝的アルゴリズムよりも、群知能を基本とした進化型多目的最適化アルゴリズムの方がcore間の解探索精度の低下問題に有効となる可能性を考えて、群知能に関して精力的に研究を進めている中国の若手研究者と国際研究協力を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度の研究計画としては「重みベクトルの分解に着目した手法を代表するMOEA/Dの理想点の動的決定法」を挙げていた。具体的には、(1)理想点の変化率を観測しながら妥当な調整間隔を自律適応的に決定する方式の提案、および(2)より大規模な並列環境を想定して、パーティション間の情報交換は最低限に抑えて、基本的にパーティション毎に独立して理想点を推定する方式の検討である。 前者に関しては、探索過程での(世代数が異なる)幾つかの理想点の値を標本データとして、最小二乗法などの統計的最適化法を用いてcore間で理想点の値を補正するための移住間隔を決める方式を考案して評価実験を開始した段階である。 後者に関しては、探索途中の非劣解集合の端(エッジ)の重みベクトルを全てのcoreで共有し、残りの重みベクトルは、各coreに(モジュロ演算などを用いて、できるだけ)均一に割り当てる並列分散方式を提案した。また、パレートフロントの広がりを維持する力を強めるために、子個体を生成するための遺伝子操作において、オリジナルのMOEA/DのようにT-近傍内のランダムに選択した2個体を親個体とするのではなく、一方の親個体は当該重みベクトルが保持している個体を用いることとした。本アイデアに関しては、簡単な評価実験を開始して有効な実験結果を得たために、ACM/SIGEVO主催の国際会議GECCOのポスターセッションに投稿して採択されている。 また、今後、相互性を有する多目的問題の解法を考える際に、現在の遺伝的アルゴリズムよりも、群知能を基本とした進化型多目的最適化アルゴリズムの方がcore間の解探索精度の低下問題に有効となる可能性を考えて、群知能に関して精力的に研究を進めている中国の若手研究者と国際研究協力を開始して、国際ジャーナルへの投稿を始めている。 従って、概ね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
(1) 探索過程において(世代数が異なる)幾つかの理想点の値を標本データとして、最小二乗法や入力誤差モデルなどの統計的最適化法を用いて、core間で理想点の値を補正するための移住間隔を決める方式に関しては、今後、幾つかのベンチマーク問題を用いて提案法の有効性がベンチマーク問題に依存しないかどうか評価実験をしっかりと行い、有効性が明らかになった段階で、主要な国際会議または国際ジャーナルへの投稿を行う。 (2) 探索途中の非劣解集合の端(エッジ)の重みベクトルを全てのcoreで共有し、残りの重みベクトルは、各coreに(モジュロ演算などを用いて、できるだけ)均一に割り当てるMOEA/Dの並列分散方式に関しては、簡単な評価実験で有効な傾向を示しているが、core当たりの個体数と解探索精度に相関関係が見られることから、特に、並列度と性能向上率や解探索精度との関係、あるいは、core当たりの個体数と解探索精度との関係を2目的および3目的の代表的なベンチマーク問題で行い、有効性が明らかになった段階で、主要な国際会議または国際ジャーナルへの投稿を行う。 (3) 上記提案する二つの方式に関して、代表的なベンチマーク問題での有効性を確認後、「複数車種の同時最適化のためのデータ」など実問題を用いた評価実験を行い、新たな改善点や研究課題の洗い出しを行う。 (4) 上記の研究がほぼ収束次第、一部共通の目的関数を持つ多目的最適化問題の間で有効に作用する転移情報を検出し、高速に同時最適化する技術の検討に着手する。その際、これまでの遺伝的アルゴリズムを基本とした進化型多目的最適化アルゴリズムに留まらず、群知能などの手法を基本とした進化型多目的最適化アルゴリズムの提案も視野に入れて研究を行う。また、講演会や国際会議でのスペシャルセッションの提案などを通して研究成果の広報に勤める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響で、謝金を使った学生(研究協力者)のプログラムの作成および評価実験作業が遅れて予定した謝金の消化ができませんでした。今回生じた次年度使用額に関しては、2023年度の学会活動費(論文誌投稿費用、学界参加費など)あるいは謝金のための費用として活用する予定です。
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Research Products
(12 results)