2022 Fiscal Year Research-status Report
BCI system without special training to communicate degree of feeling and/or KANSEI
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22K12221
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
伊藤 伸一 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 講師 (90547655)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 脳波 / 意思 / 気持ち / 程度 / BCI / 深層学習 / 個人特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
意思・感情を司る前頭前野の脳波を対象とし、特別な訓練を必要としないヒトの意思や気持ちの程度(複数選択肢の質問から選択された項目:そう思う・まあまあ思う・少し思う、大好き・好き・少し好き・嫌い、など)を伝達するブレイン・コンピュータ・インタフェース(BCI)を構築するための脳波分析手法を確立することが目的である。前頭前野の脳活動は気持ちや意思を含むココロの変化に深く関与していることが知られている。申請課題では、意思や気持ちの程度を検出するために、前頭前野の活動において、意思や気持ちの検出を容易にする箇所を選定する。また、前頭前野脳波から特徴を抽出するための瞬きなどのノイズにロバストな段階的構造を持つ深層学習モデルを考案する。さらに、意思や気持ちの程度を意味する脳波特徴のルールを抽出し、気持ちや意思の程度を検出する。 上述する手法の確立を目指して、研究を進めている。具体的には、脳波分析の大きな課題の一つであるノイズ混入について、明らかにノイズが混入している脳波のデータとそれ以外を弁別し、脳波分析精度を向上させる技術をまとめることで、国際学術論文への投稿準備をしている。ここでは、ノイズの有無を判定する深層学習モデルを考案し、明らかなノイズを含む脳波と明らかなノイズを含まない脳波に弁別する。弁別された2つの脳波のデータセットに対して、意思・気持ちを分類するための脳波分析用の深層学習モデルを脳波のデータセットごとに作成し、脳波による意思・気持ちの分類精度の向上を図っている。 また、学習に対する理解の程度を対象とし、ヒトの意思・気持ちを分類する実験を実施し、分析する技術をまとめている。ここでは、学習の理解の有無の判別を容易にする脳波計測箇所を選定する。 コロナの影響を受け、被験者実験が滞っているため、引き続き、実験を実施しデータを獲得する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度において、以下の課題に取り組んでいる。 課題:脳波計測箇所の選定 まず、意思を司る前頭前野の活動のうち、明らかに意思や気持ちに関連する脳活動に依存しない活動部位を、目視により確認する。このとき、明らかに電位が小さい電極(おおよそ0mV)および変位の小さい電極を、脳波分析の対象としない電極とみなす。次に、明らかに電位が小さい電極を除いたすべての電極を対象に、意思や気持ちを容易に分類することが可能となる電極の組み合わせを選定する。ここでは、これまでの研究成果に基づいて、質問項目に対するYes/Noの分類(意思の分類)を実施することで、意思や気持ちに関連する脳活動部位を選定する。現在、学習の理解の有無の検出に関して実験的検証を実施している。ここでは、理解の有無が決定されるタイミングを試行錯誤的に選定した。また、理解の有無の判別が有効となる計測箇所ならびに脳波の特徴の特定を試みている。さらに、所属する研究室の学生に依頼し、被験者実験を実施しているが、コロナの影響および被験者の都合による実験が進まず、実験データの収集が難航している。 一方、ノイズにロバストな分析モデルの考案ならびに、提案手法の有効性検証を実施し、学術論文としてまとめており、投稿する準備をしている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度において、以下に示す項目について明らかにする。 課題1:脳波計測箇所の選定 令和4年度に引き続き、有効となる脳波計測箇所の選定を実施するとともに、実験的検証のために、実験データを収集する。 課題2:ノイズにロバストな脳波分析モデルの有効性検証 ノイズという大きな課題を解決するために、ノイズの有無を判定する深層学習モデルの有効性を学術論文としてまとめ投稿する。また、追加で実施する実験データに対して、その分類精度を向上させるための新たなモデルを考案する。
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Causes of Carryover |
コロナの影響と被験者の都合により、被験者実験が滞っているための謝金、加えて、脳波計測のための消耗品購入のための費用が残っている。また、令和5年3月に調査のための国際会議または国内学会・研究会に参加したが、法人カードを使用したため令和5年4月の決済になっていることから、旅費とその他の予算が残っている。 次年度は、現在まとめている研究成果を学術論文に投稿する。また、本年度実施困難であった被験者実験を実施し、分析し、その研究成果を公表していく。そのため、英文校正費、学術論文投稿・掲載費、脳波計測のための謝金、消耗品費、データ保存用HDDの費用ならびに計測・分析するためのソフトウェアのライセンス費用が必要になる。さらに、研究成果を公表または情報収集のための国内学会・研究会および国際会議への参加費、旅費が必要になる。
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Research Products
(2 results)