2022 Fiscal Year Research-status Report
カテゴリカルカラーネーミングにおける物体固有色名が与える影響の計算機モデルの確立
Project/Area Number |
22K12229
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
張 英夏 東京都市大学, 情報工学部, 准教授 (50397056)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 豪 東京工業大学, 情報理工学院, 准教授 (00323832)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 基本色カテゴリ / カラーネーミング / 代表色推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は、光源の影響を排除するため、推測した物体表面色を用いたカラーネーミングを試みた。光源の影響とは、光源の色による影響と、物体の材質によるハイライトやシェードによる影響の2つが考えられる。前者は近年の機械学習によって精度よく推測することができるため、本年度は後者について検討を行った。 与えられた領域から光源のハイライトやシェード部分を除外し、物体の色を推測する方法を考案した。球をレンダリングし、曲面の画素値を明度-彩度平面にプロットすると、シェードやハイライト部分は彩度が低く、シェードやハイライトの影響を受けていない部分は徐々に彩度が高くなる。この性質を利用し、与えられた領域の画素値を明度-彩度平面にプロットし、彩度の高い色を物体色とする手法を提案した。 ただし、表面形状が曲面でないものや画像レタッチなどによって色域を超える色分布を丸め込んだような画像では、うまくいかない場合がある。しかし、そうした場合でも、画素値分布に特徴があることから、明度-彩度平面上での画素値分布形状を学習し、適切な表面色を推定する機械学習に基づいた手法に改良した。 得られた領域の代表色に対し、カラーネーミング手法と組み合わせることで、与えられた領域のカラーネーミングを可能にした。提案手法は、カラーネーミングだけでなく、領域の代表色を必要とする研究、例えば画像からのカラーパレットの抽出や、画像のcolor descriptorとして利用することができる。 なお、本年度の成果に関する発表のうち、CGIP2023ではbest oral presentation awardを受賞した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は与えられた領域のカラーネーミング手法について検討を行った。カラーネーミングを行うための領域代表色は、計画段階で予定していたハイライトおよびシェードの検出に基づいた手法ではなく、より直感的な彩度に基づく手法に変更した。 また、これをカラーネーミング手法と組み合わせることで、初年度に予定していた、光源色の影響を排除したカラーネーミング手法を提案し、おおむね予定通り研究が進んでいると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度の成果をまとめ、評価実験を追加したうえで論文誌に投稿することとし、その後、当初の計画に則って研究を推進していく。具体的には、以下の2点について検討を行うこととする。まずはじめに、低彩色のカラーネーミングについて検討をおこなう。低彩色の場合周辺色の影響を強く受けるため、周辺を考慮する必要があるが、「周辺」の定義やその影響度合いについて検討を行う必要がある。従来研究の知見に加え、被験者実験に基づいて計算機モデル化を進めていく。また、物体固有色に関する検討を行っていくこととする。全体的に被験者実験と計算機モデルの確立、システム化を平行して進める必要があるため、スケジュール管理に留意する。
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Causes of Carryover |
差額の原因は購入したディスプレイの価格変動、また、クラウド活用によりストレージなどの消耗品を一切購入していない点である。 差額は次年度の物品購入費に加算する。
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Research Products
(6 results)