2023 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of explicit knowledge hidden in lacquer work by clarifying the optical characteristics of lacquer work and the observation behavior of lacquer work craftsmen
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22K12234
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Research Institution | Kisarazu National College of Technology |
Principal Investigator |
小田 功 木更津工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (80321404)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 視感評価 / メタリック塗装 / 測色計 / 色彩 / 漆 / 蒔絵 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,黒色の品質感を数値化することである.蒔絵職人の暗黙知を形式知化することである.蒔絵に用いられる金属粉には多くの種類があるが,蒔絵職人は,その使い分けを経験に基づく自分の感性で決めている.他にも蒔絵職人は,“見立て”と呼ばれる作品の目視観察を通して,使用している金属粉や漆の種類,製法など作品の特徴を認識する技能を有する.以上の技能の習熟には10年以上という期間を要し,熟練職人の高齢化もあり,効率的な技能伝承を実施する必要に迫られている. 本年度は,丸粉を蒔いた蒔絵の色彩に着目して研究を進めた.蒔絵粉の形状には多くの種類があるが,その中でも丸粉は,蒔絵に多様な表現効果をもたらすことができる.丸粉を蒔いた蒔絵は粒径によって見た目の色彩が大きく異なるが,その原因は解明されていない.そこで伝統的な製法に則って丸粉を蒔いた試験片をいくつか製作し,分光測色計による色彩評価,および顕微鏡による表面観察を行った. 色彩評価の結果,(1)金粉の粒径が大きくなると明度が低くなる,(2)金粉の粒径が大きくなると赤色味と黄色味が強くなる,という知見を得た.これらの現象は,漆層内部からの散乱光が,粒径が大きい場合にはより深い場所からになることにより生じると考えられた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
丸粉を蒔いた蒔絵の色彩を定量的に評価することはできたが,計画にあった蒔絵職人からのデータ収集が行えなかったため.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,マルチアングル分光測色計を使用し,多方向から観察したときの色彩を数値化する.観察方向による色彩の変化を捉えることで,蒔絵の光学特性が,メタリック塗装やパール塗装とは異なることを示せると考えている.
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Causes of Carryover |
当該年度の研究では,現有設備の活用,および蒔絵職人からのデータ収集が行えなかったことにより次年度使用額が生じた.次年度は当初の予定通りに研究を進めるため,翌年度分として請求した助成金と合わせて,研究計画調書に記載してある物品を購入する予定である.
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