2022 Fiscal Year Research-status Report
教師データ作成を不要とする医用画像向け深層学習モデル転用技術の開発
Project/Area Number |
22K12237
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
近藤 敏志 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 教授 (20821060)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 医用画像 / 画像認識 / ドメイン適応 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,医用画像のセグメンテーションにおいて,教師データ作成の人的・時間的コストを削減でき,かつデータの秘匿性が求められる実臨床現場での運用に適した,「ソースデータなしドメイン適応技術」を確立することである.その中での当該年度の研究実施計画は,本研究の理論基盤を構築し基本方式を確立すること,そして5組程度のデータセットを用いてこの基本方式の有効性を確認すること,であった. 最新の研究動向を調査する中で,ソースデータなしドメイン適応技術を更に発展させた,ブラックボックス型ドメイン適応技術(以下,ブラックボックス型と略す)が,画像分類の分野で研究され始めていることを確認した.ブラックボックス型は,より実臨床現場での運用に適した方式であると考えられるため(理由は「現在までの進捗状況」に記載),初年度である当該年度においては,画像セグメンテーションに対してブラックボックス型を適用し,性能検証を実施することとした. 検証の結果,画像セグメンテーションに対して単純にブラックボックス型を適用した場合,ドメイン適応なしの場合と比較してあまりセグメンテーション性能が上がらないことを確認した.そこで,ブラックボックス型を適用する際に,深層学習モデルの重みパラメータを徐々に更新する方法を適用することを考案し,その結果,単純にブラックボックス型を適用する場合と比較して,セグメンテーション性能が向上することを確認した.またこの検証過程において,5組のドメイン適応検証用データセットを構築した.さらには,本検討内容をまとめて査読有り国際会議に投稿した(査読結果は未受領).
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度の研究実施計画は,ソースデータなしドメイン適応技術の理論基盤を構築し基本方式を確立すること,そして5組程度のデータセットを用いてこの基本方式の有効性を確認することであった. 最新の研究動向を調査する中で,ソースデータなしドメイン適応技術を更に発展させた,ブラックボックス型ドメイン適応技術(以下,ブラックボックス型と略す)が,画像分類の分野で研究され始めていることを確認した.ブラックボックス型においては,ソースドメインにおける画像および教師データだけではなく,深層学習モデルの内部情報(ネットワークの構造や重みパラメータなど)にもアクセスしない制約を課す.これにより,ホワイトアタックと呼ばれる深層学習モデルへの攻撃に対して耐性を持たせることができ,より実臨床現場での運用に適した方式であると考えられる. そこで初年度である当該年度においては,画像セグメンテーションに対してブラックボックス型を適用し,性能検証を実施することに予定を変更した.検証の結果,画像セグメンテーションに対して単純にブラックボックス型を適用した場合,ドメイン適応なしの場合と比較してあまりセグメンテーション性能が上がらないことを確認した.そこで,ブラックボックス型を適用する際に,深層学習モデルの重みパラメータを徐々に更新する方法を適用することを考案し,その結果,単純にブラックボックス型を適用する場合と比較して,セグメンテーション性能が向上することを確認した.またこの検証過程において,5組のドメイン適応検証用データセットを構築した. 以上より,当初予定していた計画からは変更したが,基本方式を確立した上で,予定していたデータセット構築は完了したため,概ね順調に進展していると判断できる.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の全期間は3年間であり,その初年度が完了した段階である.2年目,3年目の予定は当初予定から大きな変更はない.具体的には,本研究課題の開始前に予備的に検討したソースデータなしドメイン適応方式,初年度に検討したブラックボックス型方式,の両者に対して,次のように研究を推進する. 2年目にはデータセットを拡充し,幅広い撮像手段や対象臓器に対しても性能を担保するように,ソースデータなしドメイン適応方式,ブラックボックス型方式の改良を行う.そして最終年度である3年目には,機能拡張として複数のソースドメインのモデルを活用する方法に関して研究を実施し,更に性能を高めることを狙う.これと並行し,それまでの結果を元に臨床研究先の探索を行い,本研究期間完了後の実臨床応用へと繋げる.
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Causes of Carryover |
当該年度は,1台あたりの金額が25万円程度となるGPUの購入を優先した.そのため,端数としての残高が発生する状況が生じた. 翌年度繰越分は,1台あたりの金額が比較的高額となる,RAID装置の購入に充当することを予定している.
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