• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2023 Fiscal Year Research-status Report

分子進化シミュレーションによる長枝誘引の発生メカニズム解明と解消法の提案

Research Project

Project/Area Number 22K12244
Research InstitutionShizuoka University

Principal Investigator

堀池 徳祐  静岡大学, グローバル共創科学部, 准教授 (20535306)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2027-03-31
Keywords長枝誘引 / 系統樹 / マルチプルアラインメント / シミュレーション
Outline of Annual Research Achievements

2023年度は、前年度に開発した分子進化シミュレーションプログラムで特定の2本の配列のみ逐次的に進化させ(この2配列に繋がる枝が長枝となる)、各進化段階でマルチプルアラインメントや系統樹推定を行い、各種データを取得し、系統樹の樹形判定やその他の特徴量を抽出するためのプログラム群を作成した。方法の詳細を以下に示す。
1.配列の類似性評価: TAA(Total Alignment Accuracy, Ogdenら 2006)を元にして、マルチプルアラインメント後の各配列間における類似性評価のためのプログラムを作成した。ただし、TAAはマッチした領域以外は評価されないため、本研究の配列類似度はTAAを配列の平均長で割った値とした。
2.系統樹の樹形判別: 推定された系統樹の樹形を判別、カウントし、全体における各樹形の割合を算出するプログラムを作成した。本解析では複数の樹形パターンを持つ中で最もシンプルな「4配列での系統樹」を対象にした。したがって、取りうる樹形は3パターンである。
3.枝長データの獲得: 取得できるデータは変異を入れる2つの配列に繋がる「長枝」、変異が入らない2つの配列に繋がる「短枝」、系統樹の分岐点同士を繋ぐ「内部枝」の3つに分けて、それぞれ枝長を測定するプログラムを作成した。
分子進化シミュレーション及び以上のプログラム群を、マルチプルアラインメント(MAFFT, Clustal Omega, Probcons, DLPAlign)と系統樹推定法(最節約法、近隣結合法、最尤法)の組み合わせを変えつつ実行した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

2022年度は主に本研究推進のための基盤となるプログラム(系統樹推定の元となるアミノ酸配列に変異を加えた後にさらに変異を追加するプログラム)の作成を行った。このプログラムでは長枝に指定した枝の長さを一定の長さずつ伸ばした時のそれぞれの配列データが取得でき、それぞれの配列データを用いてマルチプルアラインメントや系統樹作成ができる。このプログラムにより、一つのオーソログデータをもとに作成されるマルチプルアラインメント、系統樹を時系列で観察するためのデータを作成できるようになった。
2023年度は2020年度に開発した分子進化シミュレーションプログラムで特定の2本の配列のみ逐次的に変異を加え(この2配列に繋がる枝が長枝となる)、各進化段階でマルチプルアラインメントや系統樹推定を行い、系統樹の樹形判定、各枝長や変異を追加した配列間の類似性を抽出するためのプログラム群を作成した。また、これらのプログラム群を統合して実行した。

Strategy for Future Research Activity

来年度以降はすでに作成した4OTU用のプログラムを拡張し、4以上の任意の数のOTUを持つモデル系統樹を用いて分子進化シミュレーションを行い、生成された配列を元にマルチプルアラインメントと系統樹作成を自動で行えるようにする。このプログラムを用いて、昨年度と同様に推定系統樹の樹形割合、枝長、変異を入れた配列間の類似性を算出する。また、一塩基ずつ変異を入れ、長枝誘引が起こる手前のマルチプルアラインメントの状態を特定し、その状態から一つ変異を加えたときの状態と比較するプログラムを作成する予定である。その後、作成した各プログラムによりシミュレーション、マルチプルアラインメント、系統樹推定を行い、樹形判別、各枝長、長枝間の類似性などのデータから長枝誘引の前後でマルチプルアラインメントにどのような特徴を持つ変化が起こったかを観察する。また、どの変異の種類が長枝誘引の原因となりやすいか、調査する。

Causes of Carryover

今年度はプログラム作成を主に行ったため、あまり計算能力は必要としなかった。来年度以降、大規模計算が必要になるときにワークステーションを購入する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2023

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] Farris系統樹を用いて長枝誘引の本質を探る2023

    • Author(s)
      堀池徳祐、仲田昇平
    • Organizer
      第25回日本進化学会

URL: 

Published: 2024-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi