2022 Fiscal Year Research-status Report
Predicting the Toxicity of Chemicals on vertebrates using network biology and machine learning
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22K12265
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
飯田 緑 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 准教授 (50882396)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | インタラクトーム / 化学物質有害性評価 / ネットワーク生物学 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究期間全体での目標は、①化学物質の有害性評価、②有害性予測手法の開発、③複合暴露評価への拡張という3つである。本年度は①を実施した。本課題は、3つのステップで実施した。最初のステップでは、哺乳類(ヒト)、魚類(メダカ、マダイ、サケ)のインタラクトームデータを構築した。ヒトについては、さまざまなタンパク質間相互作用データを統合して、ヒトの網羅的なインタラクトームデータを構築した。メダカ/サケ/マダイについては、STRINGデータベースからデータを取得し、生物種固有のインタラクトームデータを構築した。 次のステップでは、疾患関連遺伝子群と化学物質関連遺伝子群を同定し、それらの間のインタラクトーム上の距離を計算した。ヒトについては、GWASデータベースなど6つのデータベースから疾患関連遺伝子群を取得し、メダカ・マダイについては、ヒトの疾患関連遺伝子群のオーソログを使用して疾患関連遺伝子群を定義した。サケについては、文献調査により疾患関連遺伝子群を取得した。化学物質関連遺伝子群は、ヒトではLINCSデータベースを、メダカとサケでは文献調査及び、他研究者からの情報提供を取得した。マダイのデータについては、独自に実施したプロテオームの結果を用いた。ヒト・メダカ・マダイについては、それぞれの生物のインタラクトームデータを用いて、疾患―化学物質間距離の計算を行った。 最後のステップでは、疾患とその疾患に対する薬剤間のインタラクトーム上の距離が短い傾向があるかどうかを検証した。ヒトにおいては、既に報告がある通り、疾患―化学物質(薬剤)間距離は、その他の薬剤に比べ短い傾向が見られた。また、メダカ・マダイにおいても同様の傾向があると考えられた。本研究結果については、国内学会で発表した。サケについては、今後行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記の哺乳類(ヒト)と魚類(メダカ・マダイ)については、研究計画通りインタラクトームの構築から、距離計算、比較が遂行できた。サケに関しては発表には至っておらず、データ収集による、疾患と化学物質の距離の計算の実現への努力を行っている段階である。以上の理由で、やや遅れていると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究課題を遂行した結果、インタラクトームデータを用いた手法は、ヒトだけではなく、魚類(メダカ・マダイ)においても化学物質の影響評価に有用であることが示された。そこで、次年度では②有害性予測手法の開発を行う。初年度で計算した「化学物質が影響を与える遺伝子群と疾患に関連する遺伝子群の距離」から「化学物質関連遺伝子群―疾患関連遺伝子群」間の類似度が計算できる。この類似度と化学物質と疾患の関係性を学習する。次に、ある化学物質とある疾患が関係するかを予測する。ここでは、申請者らが以前に開発した類似度から効率よく共有性を予測できる機械学習の手法である、カーネルマトリックス回帰を用いる予定である。カーネルマトリックス回帰で予測精度が十分に高くならない場合、他の機械学習の手法を検討する。
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Causes of Carryover |
本年度はパソコンの品薄による購入制限および、物価高による価格変動のため、購入を予定していたパソコンの購入ができなかった。次年度では、翌年度分として請求した助成金を本研究課題に使用するパソコン(Mac)を購入する費用に充てる。また、本研究課題で得られた成果を国際学会で発表するための旅費を予定している。
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