2022 Fiscal Year Research-status Report
Cybernetic avatar design for PBL education that expects educational transformation by DX
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22K12284
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Research Institution | Gifu National College of Technology |
Principal Investigator |
小川 信之 岐阜工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (60270261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兼松 秀行 鈴鹿工業高等専門学校, その他部局等, 特命教授 (10185952)
矢島 邦昭 仙台高等専門学校, 総合工学科, 教授 (90259804)
中平 勝子 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (80339621)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 教育サービス / DX / メタバース / サイバネティック・アバターデザイン / PBL |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,DXによる教育変革の一つとして,オンラインPBL実践教育を対象に,主としてコミュニケーションにおける認知・知覚能力を向上可能とするサイバネティック・アバターへの機能追加へ向けた学習者のマルチモーダル生体情報分析方法を確立することで,学習者の学習態度可視化を行い,モデレータが適切なフィードバックを課せる環境をデザインする準備を整えた.その際に生じる問題点は,適切な能動的活動の促進と視聴覚情報(経験)種別と学習活動の関係がある.これらの解決のため,(1)学習態度―生体情報関係分析,(2)付与経験―学習態度の関係分析,の2つの主題に伴う研究実践の準備を整えた.本研究では,Society 5.0によって浸透したDXを活用した教育変革の一つとして,オンラインPBL実践教育を対象に,主としてコミュニケーションにおける認知・知覚能力を向上可能とするサイバネティック・アバターへの機能追加として学習者の生体情報分析デザインを確立することである.本研究は,PBL教育に対して,闇雲にPBLをDX化するのではなく,PBL教育の「どの」要素をDX化すると本来の目的である学習者の状態表出と,実践を通じた深い学びを達成できるのか,を出発点とし,PBL教育に欠かせない少人数討論形式をなるだけ対面実践に近づける仕掛けを確立することで,PBL教育の変革に資するところに独自性がある.マルチモーダル生体情報に基づく教育ビッグデータ解析による心理的生理的検討の結果得られる学習者の場の雰囲気を,客観的情報として伝えることで,仮想空間におけるリアリティの高い共同作業が可能となる.本研究では,DXによる教育変革でのPBL教育を対象としたサイバネティック・アバターデザインに関して(1)学習態度―生体情報関係分析(2)付与経験―学習態度の関係分析 といった2つの主題に伴う分析に関しての実践の準備を整えた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)学習態度―生体情報関係分析(2)付与経験―学習態度の関係分析,の2つの主題に伴う研究実践の準備を整えたため.今後はこのことにより,以下を実践することができるようになった.(1)学習態度―生体情報関係分析,については,基礎情報収集として,計算タスクや記憶タスクといった特定の到達目標を持つ作業用コンテンツを学習者に呈示・実際に作業を行わせ,マルチモーダル生体情報を取得・分析を行うことでタスク達成までの過程における集中度などの学習態度と生体情報関係分析の関係を導く.(2)付与経験―学習態度の関係分析,については,(1)の結果をもとに,PBL実践の場で生じる付与経験と学習態度の関係分析を行い,学習者のマルチモーダル生体情報を獲得し,サイバネティクス・アバターを介した学習者の学習態度表出を可能とするための分析手法をデザインする.
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Strategy for Future Research Activity |
(1)学習態度―生体情報関係分析(2)付与経験―学習態度の関係分析の2つの問題点に共通する問題意識は,付与体験(視聴覚情報)の種別と人の状態(学習態度)変化の関係である.本研究では学習態度の可視化,およびフィードバックシステムに繋がる下記の2つの課題を取り扱う.研究課題1:学習態度―生体情報関係分析:具体的な到達目標を持つ作業用視聴覚情報(コンテンツ)を学習者に呈示し,実際に作業を行わせ,タスク実行時のマルチモーダル生体情報(意識下:視線移動・・・,無意識下:脈拍変化,血圧変動,瞳孔径変化量など)を収集する.作業用視聴覚情報は,例えば計算問題,単語弁別,短文黙読,シーンコンテンツなどで,それぞれ難易度を変える,もしくはシーンの感情価が異なるものを選定する.視線移動・瞳孔径変化量を計測することである程度のタスク実施力・課題適正度推定の予測がつくことは予備実験で確認されているため,これらの情報をもとに無意識下の他の情報と照らし合わせ,もっとも感度の高い学習態度反映指標を選定する.研究課題2:付与経験と学習態度の関係分析:学習者に対してPBL実践をオンサイト・オンライン双方で行い,PBL実践において研究課題1で選定された生体情報指標をもとに,PBL実践の場で生じる付与経験と学習態度の関係分析を行い,学習者のマルチモーダル生体情報を獲得し,サイバネティクス・アバターを介した学習者の学習態度表出を可能とするための分析デザインを構築する.本研究で得られる成果として,PBL教育をメタバースで実施する際に伝えることが困難な雰囲気の醸成があげられる.IoT技術を用いて計測されたマルチモーダル生体情報に基づいた教育ビッグデータ解析による心理的生理的検討の結果得られる学習者の場の雰囲気を,主観性を排除した客観的な情報として伝えることで,仮想空間を利用したリアリティの高い共同作業が可能となる.
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Causes of Carryover |
本研究でのシステムの改良により研究当初段階での現有物品の再活用が可能となった.次年度は,当初研究計画での物品等を導入することで研究遂行する.
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Research Products
(14 results)