2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of Service Process Measurement System based on Behavior Prediction in Nursing-care Service
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22K12286
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
三輪 洋靖 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (30367073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 健太郎 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 上級主任研究員 (10635808)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 介護 / 従業員 / 行動計測 / タイムスタディ / 自動化 / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、介護サービスを①介護サービスの設計に求められるサービスプロセスの粒度の調査、②プロセスの計測に必要な行動分類の構築、③サービス提供者の行動推定手法の開発を行うことで、介護サービスのサービスプロセスを自動で計測するシステムの構築を目指している。 2022年度は、①介護サービスの設計に求められるサービスプロセスの粒度の調査として、介護サービスの経営者、従事者、および、ロボット介護機器等の開発者に対して行ったインタビュー調査を行い、サービスの設計に必要なプロセスについて検討した。また、②介護サービス提供者の行動分類の構築として、介護施設における介護士の行動調査に協力した。本調査は、4名の日勤介護士を対象として、他計式のタイムスタディ、および、屋内測位技術による動線計測を行い、タイムスタディの行動分類には研究代表者らが構築してきた分類コードを用いた。そして、得られたデータについて提供を受け、介護士の行動を統計的に分析した。その結果、1つの行動の平均時間は13秒で、78%の行動は1分以内で完了していたが、最長で10分を越える行動もあり、行動ごとの時間のばらつきがみられた。また、排泄介助、食事介助、移動、利用者理解、情報共有、記録作成、準備・片付けに多くの時間を費やしていることが分かった。2023年度以降に向けて、サービスプロセスの評価に合わせた行動分類の最適化を行っていく。 さらに、当初の計画に先行して、③サービス提供者の行動推定手法の開発として、これまでに計測した介護士の行動調査に関するデータを用い、介護士の行動ごとに滞在場所と滞在時間を求め、その推移に対してSVMやニューラルネットワークといった機械学習を適用することで、介護士の行動を推定する手法のプロトタイプ開発を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は、①介護サービスの設計に求められるサービスプロセスの粒度の調査および②介護サービス提供者の行動分類の構築を計画しており、①ではインタビュー調査の実施に加えて、同様の調査データの提供を受けられ、おおむね当初の計画通りの成果を得ることができた。②では行動調査を行う予定だったが、実施予定の調査に相当するデータの提供を受けることができ、行動データ分析に時間を充当することで、おおむね当初の計画通りの成果を得ることができた。さらに、当初の計画では2023年度に行う予定だった③サービス提供者の行動推定技術の開発について、既存のデータを用いて一部を先行的に開発することができた。以上より、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度以降は、介護士の行動推定技術の開発に注力する。行動推定に必要な機械学習について複数の手法を調査、検討する。行動推定に必要な学習データには、2022年度までに得られたデータを用い、実用に向けた推定精度を目指す。開発にあたり、所属機関内のサービス工学分野、人間拡張、人工知能分野の研究者からも意見を頂き、研究を推進していく。また、行動推定手法の開発と並行して、2022年度に得られたデータの分析、検討を継続的に行い、サービスプロセスに求められる粒度や行動分類について最適化を進める。そして、2024年度には、研究成果を統合し、介護サービスにおけるサービスプロセス計測システムのプロトタイプを目指す。
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Causes of Carryover |
2022年度はインタビュー調査および行動調査を行う予定だったが、インタビュー調査の一部、行動調査については、実施予定の調査に相当するデータの提供を受けることができたため、調査にかかる旅費や費用について差額が生じた。 2023年度は、介護士の行動推定技術の開発に注力し、効率的に進めていくため、生じた差額については開発委託費、および、追加の調査に充当していく。
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