2022 Fiscal Year Research-status Report
Enhancement of Effectiveness for Partial Retrieval of Heterogenous Media in Distance Learning Materials
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22K12327
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Research Institution | Kurashiki University of Science and the Arts |
Principal Investigator |
Pradhan SujeetR 倉敷芸術科学大学, 危機管理学部, 教授 (90320001)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 情報状態」 / Hilbert Space |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、複数の異種型メディアにおける情報を誰もが容易に活用できるようにする技術を目指し、次世代遠隔教育において大量で多様な細かい情報を有機的に統合し、それを効果的かつ効率良く細かい単位で検索できる検索モデルに必要な理論や高度な対話型検索システムなど、様々な研究課題を取り上げている。 初期年度には、遠隔教育においてコンテンツ間の非線形的なセマンティックマッピングによる情報統合法を提案し、これを表現可能とするデータモデルを提供することを目指した。 本年度は、遠隔教育における多種多様な大量の情報においては、先ず各情報単位について複数の「状態」を表せられるHilbert Spaceを行った。それらの「情報状態」の中には、全体のシステムにおいてその位置づけがはっきりしている場合もあれば、そうではない場合も考えられ、その柔軟性と持たせるために従来のベクトル空間モデルと比べてより抽象的で複数のsubspaceが定義可能な空間モデルを考慮している。例えば、一連のパワーポイント形式のスライドの中にある一枚のスライドの「情報状態」は、観点によって大きく異なる場合がある。同じスライドを単独の情報単位として考える場合もあれば、一連の文脈的な連続した情報単位として考える場合もある。また、そのスライドの中にある構造的な情報によっても異なる状態が存在する可能性がありえる。今回提案した「情報状態」のヒルベルト空間により、遠隔教育において多種多様な大量の情報を効果的に組織化することが可能となり、数多くの検索システムへの対応も期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遠隔教育における多様な情報の大量性には、情報単位ごとに複数の「情報状態」が存在し、それを的確に表現するためにHilbert空間が重要であることが明確になった。また、一連のプレゼンテーション資料の各スライドにおける「情報状態」をHilbert空間上のベクトル表現として扱うために、現在はPython言語を使用したSlideToVectorプログラムの開発が進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の計画としては、まず一連のプレゼンテーション資料の各スライドにおける「情報状態」をHilbert空間上のベクトル表現として扱うために、スライド内の情報をベクトル表現に変換する理論を整理する。現時点では、各スライドには3つの「情報状態」を考慮し、それぞれの「情報状態」をHilbert Subspace上で表現できるモデルの提案を行う。また、各ベクトル同士の「内積」やその線形性質を定義する。
Hilbert空間における情報単位の「情報状態」表現は、多様な情報ニーズに対応できるため、有用であると期待される。しかし、実際の問題としては、すべての情報ニーズを事前に予想することは不可能であることがあり、その場合、これまで予想していなかった情報ニーズに対応するために、「情報状態」を再計算する必要が生じる。その際、効率的な計算方法を構築する必要がある。そのため、確率的に最適な情報単位のみを処理の早い段階から選択できる量子論に基づく新しい検索モデルを開発し、問い合わせ処理を改善することを提案する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスのパンデミックにより、多くの学会やイベントが中止またはオンライン化されたことで、旅費の節約が発したため、当該助成金が生じた。また、次年度は開発中のモデルによりシステムの実装を行う予定をしており、次年度を請求している助成金と合わせて、より性能のよい計算機を購入する予定がある。
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