2023 Fiscal Year Research-status Report
密度勾配-サイズ分画培養法によるプランクトン食物網のエネルギー輸送の定量評価
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22K12361
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
吉川 尚 東海大学, 海洋学部, 教授 (80399104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宗林 留美 静岡大学, 理学部, 准教授 (00343195)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 密度勾配-サイズ分画培養法 / 被食―摂餌関係 / ピコ・ナノ植物プランクトン / ナノ・ミクロ動物プランクトン(鞭毛虫、繊毛虫) / 光合成色素分析 / フローサイトメーター |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、フローサイトメトリー(FCM)による植物プランクトン各グループの細胞密度の計測精度の向上、光合成色素のHPLC分析とCHEMTAX解析による対象海域における植物プランクトン群集構造の把握、被食速度推定のための培養実験を行った。FCM分析では、赤色蛍光・橙色蛍光・前方散乱光の情報から、ピコ原核藻類(プロクロロコッカス、シネココッカス)、ピコ真核藻類、ナノ真核藻類(クリプト藻類とそれ以外)の計5グループに分けて、細胞数を計測することができた。また、光合成色素のHPLC分析とCHEMTAX解析から、駿河湾沖合域では春の成層形成期(3―4月頃)と秋の成層衰退期(11―12月頃)にブルームがみられ、珪藻類、ハプト藻類6型、クリプト藻類 、プラシノ藻類等で構成されていた。また、原核藻類(プロクロロコッカス、藍藻類)は、成層発達期に比較的多く、外洋的な特徴もみられることが分かった。被食速度推定のための培養実験は2023年11月に、駿河湾の真崎海岸にて表層海水を採取して実施した。採取した海水をプランクトンネットを張った筒を用いて、<5 um(ピコサイズのみ)、<20 um(ピコ及びナノサイズ)、<200 um(ピコ・ナノ及びミクロサイズ)に分画し、2 Lのポリカーボネート製ボトルに分注し、現場水温・太陽光下で培養した。24時間後に、植物プランクトン組成、微小鞭毛虫と繊毛虫の細胞数(蛍光顕微鏡観察)を調べた。昨年度の予備的な実験から、48時間後以降は、繊毛虫と微小鞭毛虫の現存量の変化が不安定となることが分かっているため、培養は24時間までとした。現在、得られた結果について、被食速度の算出等の解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
培養条件を決定するための予備的な実験や現場の化学環境・プランクトン分布状況の把握、各項目の分析方法については順調に進んでいる。培養実験のデータ解析は途中まで進んでいるが、加速する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
概ね順調に進んでおり、今後は培養実験の頻度を増やし、モデル海域(駿河湾沖合域)におけるプランクトン食物網の被食―摂餌関係を明らかにしたい。
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Causes of Carryover |
分析装置(HPLCとフローサイトメーター)が中古品のため、補修用の部品代等も見込んでいたが、調子良く稼働したため不要であった。次年度は、培養実験の頻度も増えるため、分析用の消耗品代や学会発表に必要な予算等も、当初計画時より増える見込みである。
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