2022 Fiscal Year Research-status Report
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22K12378
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
有吉 健太郎 福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (50462750)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 富智 弘前大学, 被ばく医療総合研究所, 教授 (20261456)
葛西 宏介 弘前大学, 保健学研究科, 准教授 (50400148)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | バイスタンダー効果 / 放射線 / 野生動物細胞 / 進化的保存性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、放射線誘発バイスタンダー効果の進化的保存性に着目し、アカネズミ、アライグマ、ニホンザルから樹立した初代培養細胞、および正常ヒト由来細胞においてバイスタンダー効果の発現の有無を確認することを目的とした。 そこで、正常ヒト細胞(HDFn)に放射線を照射し(2Gy X線)、24時間培養したのちの細胞培養液(irradiated conditioned medium: ICCM)を回収し、野生動物(アカネズミ、アライグマ、ニホンザル)細胞にICCMを加えて24時間処理を行なった。その結果、非照射の正常ヒト細胞由来の培地(control-cell conditioned medium: CCCM)と比較して、ICCM処理した野生動物細胞のいずれにおいても、微小核の出現頻度の有意な上昇が観察された。 これらの結果からヒト由来のICCMが種の壁を超えてバイスタンダー効果を引き起こしていることを示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
正常ヒト細胞(HDFn)由来のICCMが、異種の動物細胞において、DNA損傷の痕跡である微小核を誘導した結果は大きな収穫である。従って、本研究はおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
野生動物(アカネズミ、アライグマ、ニホンザル)細胞よりCCCMおよびICCMを回収し、正常ヒト細胞、および他種の野生動物細胞に処理を行い、微小核を用いたDNA損傷の頻度を調べる。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により、予定していた出張がオンライン等に切り替わった為。
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