2022 Fiscal Year Research-status Report
環境中大気汚染物質のアレルギー症への健康影響リスク評価
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22K12402
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
東 朋美 金沢大学, 医学系, 助教 (20293342)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 大気汚染物質 / PM2.5 / 黄砂 / 慢性咳嗽 / 臨床疫学 / アレルギー性鼻炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、環境汚染や気候変動への対策の重要性が益々高まっている。とりわけ、PM 2.5やオゾンをはじめとする大気汚染物質や気象環境による健康影響は社会問題となっており、それらの健康影響に関するエビデンスを増やしていくことは喫緊の課題である。しかし現在、大気汚染物質の健康影響に関する知見は不足しており、因果関係を含め詳細は明らかになっていない。本研究ではPM2.5、黄砂、オゾン、PAHなど大気環境汚染物質や気温、気圧など気象条件による健康影響評価を行い、新しい知見を増やすことを目的としている。健康影響の評価データとして、金沢大学附属病院 呼吸器内科および耳鼻咽喉科に通院する 慢性咳嗽、通年性および季節性のアレルギー性鼻炎患者の、毎日のアレルギー症状を使用する。本年度は、研究代表者らが継続して収集してきた患者疫学調査データ、大気汚染物質濃度データ、気象データ、臨床検査データを整備することに主として注力した。調査後半の未回収データの回収と確認、統合、データベース固定を行った。今後は、研究代表者らがこれまでに報告してきた黄砂のアレルギー症状への影響などの知見で実施してきた、時系列解析、ロジスティック回帰、一般化推定方程式などの方法で、他の大気汚染物質についても解析を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の遂行の要となるデータベースの整備を進めることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、研究代表者らがこれまでに報告してきた黄砂のアレルギー症状への影響などの知見で実施してきた、時系列解析、ロジスティック回帰、一般化推定方程式などの方法で、他の大気汚染物質についても解析を行う。同時に、網羅的な分析による新知見発見の方法を検討していく。データマイニングの方法について、通例で行ってきた方法以外についても調査検討を行う。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が発生した理由:予定より、物品費の使用が抑えられたため。 使用計画:統計ソフトや解析パッケージ、印刷費などを中心に使用予定である。
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