2023 Fiscal Year Research-status Report
黄砂、越境大気汚染が全身性炎症と血液凝固能に与える影響についての検討
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22K12407
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
佐野 博幸 近畿大学, 医学部, 教授 (80325018)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 黄砂 / オゾン / サイトカイン / 炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
黄砂による健康影響が報告されているが、大気汚染物質には相互作用がある。 現実には黄砂を単独で吸入することはないために、黄砂と他の大気汚染物質との相互作用について,疫学調査において交絡因子としては扱われているが,直接相互作用を検討した報告はない。一般には、紫外線によってVOCやNOxからオゾンが発生し、それが黄砂などの土壌物質と凝集、凝縮、核形成へと反応することが知られている。そこで黄砂が人体に影響しうる活性化を得るかどうかを確認するために、先ず、気道炎症における黄砂粉塵とオゾンの相互作用についての検討も重要な課題となるために追加検討している。2022年度と2023年度の研究実績を下記に示す。 1.事前調査として我が国における黄砂日にオゾン濃度が上昇する関係があることを調査した。Lidarデータを用いた調査でもオゾン濃度と非球形粒子レベルが正の相関が認められた。2.2022年4月と2023年4月の黄砂日に.ハイボリュームエアーサンプラーを用いて粒子状大気汚染物質をフィルター上に採取した。付着した黄砂時粉塵を集めオートクレーブで滅菌し保存した。3.透析通院中の患26人から採血をそれぞれ黄砂日と非黄砂日(7月)に行い、サイトカイン測定のために―80℃で血清保存した。また、WBC、好酸球数、好中球数、LDHについては測定値を記載して保存した。4.黄砂時の粉塵で懸濁液を作成し,0.12ppm,0.24ppmのオゾンで1分,5分,15分間bubbling後にBEAS2B細胞を刺激し培養上清液を捕集し保存した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
患者採血数が予定の半数になっているのは黄砂日が少ない影響がある。2024年度も黄砂が観測されれば患者血清の追加を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は各首脳殿黄砂粉塵とオゾンで刺激した気道上皮細胞(BEAS2B細胞)の保存した上清中のIL-6、IL-8、YKL-40などのサイトカインを測定することで黄砂とオゾンが大気中に接触した際に黄砂の気道炎症惹起能がどのように変化するか評価する。15分間bubbling後にBEAS2B細胞を刺激培養し,BEAS2B細胞のROS活性をH2DCFDA (2‘,7’-Dichlorodihydrofluorescein diacetate)を使用し蛍光強度を測定し評価することによって、黄砂が気道上皮細胞のROS活性に影響するか,また,オゾンとの間に相互作用があるかを検討する.また、患者血清中についても同様の左記サイトカインを測定する。また、採取した黄砂の金属成分についてICP質量分析で解析する。
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Causes of Carryover |
各種サンプルのELAISAでの測定を1度にまとめて行った方が効率が良いので、それまではサンプル採取保存し、最終年に測定をするためにそれまでは繰り越しとして最終年度(2024年度)での使用となった。 また、黄砂の金属成分解析も、年度毎に収集したサンプルを2024年度に行う。
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