2022 Fiscal Year Research-status Report
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22K12420
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Research Institution | National Institutes for Quantum Science and Technology |
Principal Investigator |
薬丸 晴子 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学研究所 放射線規制科学研究部, 研究員 (40895520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 泉 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学研究所 放射線規制科学研究部, 主任研究員 (10270612)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 放射性核種 / 腸管 / SR-XRF / PIXE |
Outline of Annual Research Achievements |
東京電力福島第一原子力発電所の事故以来、セシウムやストロンチウムなどの放射性核種による内部被ばくに対して多くの関心が寄せられるようになった。経口で摂取された放射性核種は腸管から吸収される。しかし、これらの腸からの取り込み機序については未だ不明な点が多い。また小腸からの吸収については臓器単位のバルク定量から算出された組織含有量や吸収率の報告に限られている。本研究では量子ビーム技術を用いた分析により放射性核種の腸管での詳細な分布や生体内化学形の解析を行うことで体内動態についての知見を得、これらの情報をもとにした新たな内部被ばく核種の腸管吸収評価法の構築を目指す。 令和4年度は、組織構造に対応した分析を行うための組織分布解析用試料作製手法や薄切分析標準を用いたSR-XRF(放射光蛍光X線分析)でのセシウムの定量法の確立を検討した。作製した腸管試料について大型放射光施設SPring-8でのSR-XRFでの測定にも着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では経口摂取したウラン、セシウム、ストロンチウムなどの放射性核種の詳細な腸管分布や生体内化学形を調べるために、これらを投与した動物(マウス及びラット)モデルを作製し、腸管組織の元素分布をマイクロPIXEやSR-XRF分析による2次元イメージングにより明らかにすることを目指す。核種の局在部位を細胞レベルで調べ、体内への吸収の機序解明の手がかりを求める。 令和4年度は組織分布解析用測定試料作製手法や薄切分析標準を用いたSR-XRFでのセシウムの定量法の確立を検討した。 <元素分布・局在・取り込み率の把握>セシウムを経口投与したマウスの臓器を採取しICP-MSにより元素量を定量した。腸管、腎臓については凍結切片試料を作製しSR-XRFによるin situ測定でセシウムの分布についての把握を試みた。また、ウランについても経口投与したラットの腸管組織のSR-XRFによる予備的測定を行った。 <腸管組織での放射性核種局所定量法の確立>SR-XRFでセシウム薄切分析標準を用いた定量法について検討を行った。セシウムの検量線を作成し、検出下限を求めた。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度はセシウムのSR-XRFでの測定条件を設定し、検出下限を確認した。令和5年度はこれらに基づき、至適濃度範囲の組織試料を作製し、解析をすすめる。 <組織移行・取り込み率の把握>放射性核種の詳細な分布解析のための至適用量を投与した動物モデルを作製し、組織移行量および取り込み率を調べる。また経時的変化観察群についても設定し、核種移行動態を調べる。 <腸管組織のセシウム・ウラン分布解析>これまで1ミクロンビームでのSR-XRFによりセシウム分布解析や局所定量法を確立してきた。組織全体の分布様態を把握するため、50-100ミクロン程度のビームを用いたセシウム・ウランの分布動態解析を導入し、薄切分析標準による検出感度評価を行う。広範囲イメージングにより腸管組織におけるセシウム・ウランの局在情報を取得する。 <組織内化学形解析>腸管組織内での放射性核種の局在を探索する。局在が確認できた場合、局在部位に正確にマイクロビームを照射し、X線吸収微細構造(XAFS)法により化学形を解析する。
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Causes of Carryover |
予定していた高輝度光科学研究センター共用利用のマシンタイムが確保できず、その施設使用料や旅費、測定試料調製のための動物実験等の未使用額が生じた。今年度上半期は十分なマシンタイムを確保しており(7月)、そのための施設使用料や旅費、動物実験等に使用する。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] 高エネルギー放射光蛍光X線分析による腎臓組織中セシウム分布2023
Author(s)
薬丸晴子, 田中泉, 沼子千弥, 加藤由悟, 田中美香, 横地和子, 阿山香子, 上原章寛, 関澤央輝, 新田清文, 石原弘, 武田(本間)志乃
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Journal Title
X線分析の進歩
Volume: 54
Pages: 139-146
Peer Reviewed
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