2022 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of long-term variation of atmospheric microplastics, elucidation of their sources and estimation of their respiratory effects
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22K12421
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Research Institution | 大阪市立環境科学研究センター |
Principal Investigator |
中尾 賢志 大阪市立環境科学研究センター, その他部局等, 研究員 (00649014)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋田 耕佑 大阪市立環境科学研究センター, その他部局等, 研究員 (00828949)
浅川 大地 大阪市立環境科学研究センター, その他部局等, 研究主任 (80470251)
尾崎 麻子 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 衛生化学部, 主幹研究員 (80332435)
桝元 慶子 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 客員教授 (20332447)
奥田 哲士 龍谷大学, 先端理工学部, 教授 (60343290)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 大気由来マイクロプラスチック / フィルター / 顕微FTIR / 反射法 / 波数 / コンタミネーション / ヨウ化ナトリウム溶液 / 空試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
予備的調査として目開きを20μmの金属フィルターを用いて大気中降下ばいじん中のマイクロプラスチック(以下,MPs)の分析方法について検討し,降下ばいじん中からMPsが検出されることを確認した。これを受け,大気中浮遊粉じん中のMPsの分析方法について検討した。分析対象MPsの大きさは20μm以上を想定し,予備分析をおこなった。目開きを20μmとした理由として,過去の我々の研究課題において河川水中MPsを分析した際に目開き10μmの金属製フィルターを用いた分析だと空試験において多数のMPsが検出されることから,検出されたMPsが試料由来なのかコンタミネーション由来なのか不明であったことが挙げられる。空試験におけるMPs検出を低減する方法として目開き20μmの金属フィルターを使用することが有効である。よって,本研究課題においても目開き20μmの金属フィルターを用いることとした。 検討した浮遊粉じん試料は30年前のものであったが,複数および数種のMPsが検出された。ただし,空試験におても試料よりは少ない個数であるが,数個検出されたことから今後の分析においてはコンタミネーション防止策を講じる必要がある。 具体の分析方法については,1.石英ガラスフィルターに捕捉された浮遊粉じん中MPsを剥離させるために石英ガラスフィルターを1cm四方切り取り,ガラス製の試験管に入れて5.3mol/Lのヨウ化ナトリウム溶液35mLを加え,2.縦方向振とう器により1時間振とうさせ,3.3時間以上静置し,上澄み液を5mL採取し,目開き20μmの金属フィルターを用いて吸引ろ過し,4.20℃で乾燥させ,5.顕微FTIR(反射法)でMPsの種類を同定した。 顕微FTIR分析において,石英ガラスフィルターの繊維が赤外分析の邪魔になることから分析波数帯を4000~1400cm-1にしたところ一応の同定はできた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者の所属する大阪市立環境科学研究センターが昨年11月に移転したことから,その準備に忙殺され当初の研究計画と比較して進捗状況がやや遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
浮遊粉じん中MPs分析において空試験においてMPsが検出されたことから,防塵ブースを購入し,分析操作はその中にておこなうこととする。また,MPs検出手順において試験管に入った石英ガラスフィルターに付着しているMPsの剥離を促進させるために超音波を用い,さらに遠心機により比重分離を促進させる。これにより,石英繊維による妨害ピークを少なくし,より精確な分析方法を確立する。 浮遊粉じんの検出方法が確立された後は,30年分の浮遊粉じん試料について,大阪市内の浮遊粉じん濃度の代表性が担保されるような採取場所と採取時期を選択する。 上記により,分析方法と試料採取場所と時期が決定されるので,本格的に30年分の浮遊粉じん中MPsの分析をおこなっていく。 上記の結果をまとめ,発生源の推定をおこなう。具体の推定方法はまだ決まっていないが共同研究者と相談のうえ,モデルを用いた発生源推定をおこなう予定である。 最後に浮遊粉じん中MPsがヒトの呼吸器系のどの部位に作用するのかの特定をおこなう。
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Causes of Carryover |
研究代表者の所属機関の移転準備により,浮遊粉じん中MPs分析の進捗が遅れている。次年度(2023年度)は比較的高額な金属フィルターや防塵ブースを購入し,分析を進めるため,それに必要な経費で余剰金が相殺される予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Presentation] Microplastic Origin of a Lake Water2022
Author(s)
Tetsuji OKUDA, Ryotaro TSUNEMATSU, Yudai TSUJIMOTO, Toshinobu UNOSE, Shoichi NISHIWAKI, Satoshi NAKAI, Satoshi NAKAO
Organizer
The Water and Environment Technology Conference Online 2022 (WET2022-online)
Int'l Joint Research
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[Presentation] 河川プラスチックごみの排出実態把握と排出抑制対策に資する研究(2)2022
Author(s)
鈴木剛 , 中尾賢志 , 比嘉元紀 , 谷脇龍 , 伊藤彰 , 宇野悠介 , 佐藤敬士 , 宇智田奈津代 , 田中厚資 , 秋田耕佑 , 藤原康博 , 倉持秀敏 , 大迫政浩
Organizer
環境化学物質3学会合同大会
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