2023 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of horizontal gene transfer mechanism and intercellular network and development of occurrence prediction system
Project/Area Number |
22K12435
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Research Institution | Beppu University |
Principal Investigator |
藤原 秀彦 別府大学, 食物栄養科学部, 教授 (10435167)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末永 光 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究グループ長 (90357252) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 水平伝播 / ICE / ビフェニル / 環境汚染物質分解菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はビフェニル/PCB 分解菌 Pseudomonas putida KF715 株の有する可動性遺伝因子 ICEbph-sal の不安定さをもたらす鍵遺伝子や環境因子等を網羅的に解 析することを目的としている。2023年度は KF715 株のビフェニル分解 (bph) 遺伝子群とサリチル酸分解 (sal) 遺伝子群の周辺に存在する、水平伝播に関わる10の可動性遺伝因子の破壊をゲノム編集技術を用いて試みたが、予想される結果は得られなかった。2022年度報告書には、インテグラーゼと、トランスポザーゼの2遺伝子の破壊に成功したと記載したが遺伝子解析の結果破壊株ではなかった。そこで、2023年度は相同組み換えによる破壊株の作成に変更した。 その結果、bphとsal遺伝子群の間の領域を全て破壊した株の構築に成功した。野生株を栄養豊富な培地で培養すると、容易にビフェニル分解能を欠失した株が得られるが、破壊株はビフェニル分解能の欠失現象がほとんど見られず、明らかにbph遺伝子群の安定性が増大していることが明らかとなった。今後トランスクリプトーム解析を行い野生株との比較を行う予定にしている。一方で、野生株を栄養豊富な寒天培地に植えると、小さなコロニー形成を行う株が得られた。この株は、ビフェニル分解能を有しており、この株を植え継ぐと欠失現象が起こらず安定したbph遺伝子群を有する株が育種された。今後は、この株の再現性を確認し、ゲノム解析やトランスクリプトーム解析による野生株との比較を行っていく予定である。 また、2023年度では分解遺伝子群の遺伝子進化に関する論文執筆を行い報告を行なった 。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度では遺伝子破壊株を作成し、トランスクリプトーム解析を行う予定であった。しかしながら現在、ビフェニル分解遺伝子群とサリチル酸分解遺伝子群の間に存在する1遺伝子と、間の全領域の破壊株の取得にとどまっている。理由は、当初予定していたゲノム編集技術による遺伝子破壊がうまくいかなかったため、旧来の相同組換えによる遺伝子破壊に切り替えたため、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
現在破壊株は2株のみではあるが、特に全領域の破壊株は野生株と顕著な表現型の差異を見せている。また、野生株も植え継ぎにより興味深い結果を示している。2024年度はゲノム解析、トランスクリプトーム解析を行い、野生株との比較を行う予定である。
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Causes of Carryover |
2023年度はトランスクリプトーム解析を行わなかった分、予算の残が生じた。2024年度はトランスクリプトーム解析に加え、ゲノム解析も行う予定にしている。
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