2022 Fiscal Year Research-status Report
開発途上国における居住環境向上を目的とした換気性能を有する環境配慮型防音窓の開発
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22K12437
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Research Institution | National Institute of Technology, Kumamoto College |
Principal Investigator |
西村 壮平 熊本高等専門学校, 生産システム工学系MIグループ, 准教授 (00442484)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 防音 / 波動方程式 / 共振周波数 / 挿入損失 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は東南アジア諸国で深刻な社会問題となっている道路交通騒音に対して,サステナブル建築による居住環境の向上を目的とした「換気性能を有する環境配慮型防音窓」を開発し,実用化の指針を得ることを目的としている.この防音窓は換気性能を有しつつ,かつ電力を使わず騒音を低減できるという点に特徴があり,近年増加する騒音対策,および建物の高気密化や新型インフルエンザ感染対策等に伴い重要性が指摘されている換気対策のため必要性は高い. ”防音ユニット” は本防音窓を構成する本研究の最重要部であり,上記トレードオフの関係にある防音機能と換気機能の役割を担う.本研究は両者の最適化を実現するため,防音ユニット内に生じる平面波・高調波音圧成分の発生メカニズムを明らかにし,両者の共振の発生が最小となるユニット構造の確立を目指している. 初年度は,入口と出口の開口部を直交位置に配置した直方体型防音ユニットをモデルとし,音圧成分の低減に関する関係式を波動方程式より明らかにした.次に,得られた理論式より平面波・高調波音圧成分の共振周波数の発生数を抑制するための出口の配置位置について検討を行った.同時に,COMSOL Multiphysicsを用いてユニット内部における音圧分布のシミュレーションを実施し,双方の結果を比較した結果,理論式の有効性が認められた. 現在,この理論式を基に防音ユニットの挿入損失を求め,高調波音圧成分のレベルを抑制するための入出口の面積比について検討を行っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究自体は予定通り順調に進捗しており,今後も研究計画に沿いながら進めていく予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
初年度で得られた音圧成分の低減に関する理論式を用いて,遮音性能の目標値を達成するためのユニット寸法・開口位置・面積等のパラメータを算出する.同時にCOMSOL Multiphysicsによる音響シミュレーション解析,および換気シミュレーション,実物実験を実施することで,トレードオフの関係にある防音と換気の最適化を行う.
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Causes of Carryover |
研究成果発表を次年度に繰り越したため,次年度使用額が生じている
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