2022 Fiscal Year Research-status Report
Livestock manure compost by electrolysis-coagulation process for the stable added value
Project/Area Number |
22K12472
|
Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
藤野 毅 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (70282431)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩森 政頼 武庫川女子大学, 薬学部, 教授 (40446125)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 電気凝集処理 / 乳牛舎廃水 / フロック性状 / 重金属蛍光プローブ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は「下水処理技術の低コスト化」、「より高い安全・安心につながる処理水質の向上」、「付加価値の安定的な実現」を目指して①凝集促進材の投入量をより低く抑えるために電気分解による凝集処理(EC)を試み機能性と安全性を検証する。②凝集促進材の使用量を減らしたことによる含水比をより低くしたフロックを生成する。③低分子蛍光プローブを用いた生体細胞内重金属類含有量の診断により電気分解処理法の特徴である金属イオン発生の影響を高感度で検知する。④出来たフロックの堆肥化を試みるというものである。初年度はECを施すことによるポリ塩化アルミニウム凝集剤(PAC)と高分子凝集剤(CPAM)の削減効果を検証した。ECは円筒型のスチール陽極 (直径/高さ 14/17 cm) と白金メッキチタン陰極(同 12/12 cm)を使用した。埼玉県上尾市内の乳牛舎廃水を対象に最小消費電力となる5分間のECとCPAMの最小添加量である20mg/Lを使用し、PACの添加量を20-100 mg/Lと変化させ実験を行った。得られた液分の濁度、COD、SS、ゼータ電位を計測して実験の最適条件を求めた。ECによってフロック性状を変えずにPAC・CPAMともに添加量削減効果が認められた(代表者:藤野毅)。重金属類の検出では水中のアルミニウムイオン分析とは別に生きた細胞内での検出が可能な特殊蛍光プローブの開発に着手し6-アリール-2-ピロンを基盤とした化合物を設計してアルミニウム蛍光プローブとしての有用性を検証した(分担者:萩森政頼)。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者らによる電気分解による凝集処理(EC)は、すでにパーム油廃水などの固液分離に有効であることを示している。本研究課題で用いた牛舎廃水の特徴は繊維質が多いことであり、凝集したフロックに電極から発生した水素ナノバブルが繊維質に効率良く付着しているものと考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
凝集剤は処理量の増加による添加量の計算は可能であるが、電解処理法は本研究において処理量の増加に伴う出力を求める方法はないためこれを求める必要がある。また、これらの結果を基に全体における処理方法のコスト面における比較を行い、電解処理方法のスケールアップについて考察する必要がある。
|
Causes of Carryover |
初年度は当初に想定した経費を低く抑えることができた。その分をより少額になる次年度に使用することでより充実した研究が実施できる。
|